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AIで書いた記事はSEOで不利?【※2026年10月の最新情報】

06 届け方&資産化
AIで書いた記事はSEOで不利?【※2026年10月の最新情報】
監修者 木村太一(株式会社CVO 代表取締役)

監修者

木村太一 / 株式会社CVO 代表取締役木村太一のInstagram

チャンネル登録者1,400万人「NAS DAILY」の専属編集者。国内外多数のクリエイター・企業の動画制作に携わり、これまでに1,000本以上の動画を制作。「伸ばすだけで終わらせず、事業に残す」動画づくりを信条に、企業のYouTube運用を支援している。

悩む広報担当者のイラスト広報担当者

『外注先がAIで記事を書いていると最近分かりました。社内では「それでSEOは大丈夫なのか」という話になっていて、Googleが公開前の確認を求めたという話も出てきて、何を確認させればいいのか分かりません…』

こういった疑問に答えます。

本記事では、自社の記事や動画の概要欄をAIで作り始めた、または外注先がAIを使っていることを知った広報・マーケティングのご担当者と経営者に向けて書いています。

先に結論を3つ出します。

  1. AIで書いたこと自体でSEOに不利になる、という変更は起きていません。新しい罰則も新しいランキング要因も発表されていません。2026年10月1日にGoogleが書き足したのは、公開前の事実確認がきわめて重要だ、という一文です
  2. ところが、何を・誰が・どこまで見れば確認したことになるのかは書かれていません。基準も責任者も記録も定められていないので、線は各社が引きます
  3. そして同じ線は、動画の文字起こし・概要欄・チャプター名にも引けます。名前が挙がった4つに動画は入っていないので僕たちの読み方ですが、動画を持つ会社のほうが確認は軽く済みます

この記事の要点

  • 変わったのは評価の基準ではなく、公開前の工程のほう
  • 何をどこまで見るかは書かれていない。自社で決める
  • 文字起こしと概要欄も、同じ確認の内側にある

結論:AIを使ったかでは決まりません。Googleが書き足したのは公開前の確認、評価しているのは足された中身です

2026年10月1日、Googleは生成AIで作成したコンテンツについてのガイダンスの文書を更新しました。更新されたのは「正確性・品質・関連性を優先する」という節の1つだけです。

確認できた主旨は2つです。生成モデルの仕組みについての説明と、公開前にすべてのAI生成コンテンツを人の手で事実確認し、正確さと信頼できるかどうかを見ることがきわめて重要だ、という一文です。

増えていないものから書きます。ペナルティも、新しいランキング要因も、AIの使用を禁止する記述も入っていません。「AIで書いた記事は順位が下がるようになった」という読み方は、この更新からは出てきません。

では何が変わったのか。変わったのは評価の基準ではなく、公開前の工程のほうです。Googleが書き足したのは公開前の確認がきわめて重要だという一文で、評価しているのは自社でしか書けないものが足されているかです。

この一文には空白が1つあります。重要だとは書かれているのに、何を・誰が・どこまで見れば確認したことになるのかは書かれていません。だから企業側で線を引くしかありません。その線を5つの形で渡します。

そしてこの線は記事だけの話ではありません。動画の自動文字起こし、AIに書かせた概要欄、AIが付けたチャプター名も同じ内側に入っています。どのSEOの解説にも出てこないので、後半でまとめて扱います。

10月1日に書き足されたのは、公開前に人が確認することが欠かせないという一文です

更新されたのは、生成AIで作成したコンテンツの扱いについて書かれたGoogle検索セントラルのガイダンスの文書です。以前から存在していて、新しく作られたものではありません。

更新前の版は2025年12月のものでした。その版にも正確さを優先するという記述はありましたが、AIの出力を人の手でファクトチェックするようにという指示は入っていませんでした。つまり10か月ほど空いて、公開前の確認についての記述がここで足されました。

更新ログに書かれている理由は、開発者向けのイベントで話してきた内容と文書を揃えるため、というものです。方針が変わったという説明にはなっていません。

文書に無い段階では、「公開前の確認は誰の仕事か」を空白のままにしておけました。外注先は「指定がなかった」と言えるし、発注側は「当然やっているはず」と思っていられる。その空白が、文書のある状態に変わりました。

つまり、確認が要るかどうかの空白が埋まりました。「指定がなかった」も「当然やっているはず」も、もう通りません。埋まっていないのは、その確認を社内の誰の工程として置くかのほうです。

その一文が入った理由も一緒に書かれています。生成AIは事実を取りに行っていません

Googleはこの一文を、理由なしで置いていません。すぐ前に、生成モデルの仕組みの説明が一緒に入りました。

書かれている主旨はこうです。生成モデルは事実を取りに行っているのではなく、学習したデータからもっともらしい単語の並びを予測している。だから出力には不正確さが混じりうる。

これは「AIは嘘をつくことがある」という注意喚起ではなく、仕組みの説明です。この違いは実務に直接効きます。

事実を取りに行く仕組みなら、取れなかったときに「分かりません」が返ってきます。もっともらしい並びを予測する仕組みでは、取れなかったときにも、もっともらしい並びが返ってきます。つまり自信のなさが出力に現れません。確信度の高い口調のまま間違える、という形になります。

企業側の含意は1つ。AIが出した文章は、断定の強い箇所ほど危ない。特に数字、日付、固有名詞、制度の名前です。これらは「もっともらしい並び」として作れてしまう一方で、読んだ人が正しさを見分けられません。

だから社内の扱いを変えてください。AIの出力は原稿であって完成品ではない、という線を引く。この線さえ引いておけば、Googleの文書を読み込まなくても、確認の工程が要る理由は説明できます。

新しい規則が増えたわけではありません。判定の基準は以前から同じ場所にあります

「10月に基準が変わったので対応が必要です」という社内説明をしようとしているなら、止めてください。

Googleの立場は2023年2月から一貫しています。AIや自動化の適切な利用はガイドラインに反しない、と書かれています。反するのは、検索順位を操作することを主な目的としてコンテンツを生成する場合です。2024年3月のGoogleのブログには、大規模なコンテンツの不正利用について、自動化で作られたか、人の手で作られたか、その組み合わせかにかかわらず対応できるようにする、とも書かれています。

判定の中身は、検索の品質評価ガイドラインの側に置かれています。そこには、作り方を問わず、独自の内容も付加価値もない大規模な生成は最低の評価にあたるという考え方が書かれています。同時に、生成AIツールを使ったことだけでは、労力の水準もページの品質評価も決まらない、とも書かれています。使ったか使っていないかは、判定材料になっていないわけです。

評価者の採点そのものが順位に直接影響するわけではない点も、ガイダンスのページに書かれています。だから「評価ガイドラインに引っかかると順位が下がる」も正確ではありません。あれは、何を良いページと見なすかの考え方を書いたものです。

ここで1つ、日本語の解説が揃って落としている食い違いを書いておきます。さきほどの更新ログには理由だけでなく中身も書かれていて、そちらには品質評価ガイドラインの情報でガイダンスを更新した、とあります。ところが実際に追記された文のどれも、品質評価ガイドラインに言及していません。品質評価ガイドラインを参照している段落は、更新の前後で変わっていないのです。どの部分がそこに由来するのかも、Googleは説明していません。

つまり、こうです。Googleは評価ガイドラインの情報を反映したと書いているけれども、実際に入ったのは確認の工程の話で、判定の基準そのものは以前から同じ場所にあって動いていない。

社内説明はこの形にしてください。「評価の基準が変わったので対応が必要」ではなく、「基準は前から同じで、今回明文化されたのは公開前の工程」です。前者で説明すると、半年後にまた基準が変わったという話になって、そのたびに現場が振り回されます。

ここが問題です。Googleは公開前の確認がきわめて重要だと書いた一方で、何をどこまで見るかは決めていません

追記された文を実務の指示として読むと、何も決まっていません。無いものを3つ挙げます。

1つ目、確認の基準がありません。どこまで見れば確認したことになるのか。全文を読み直すのか、数字だけ当たるのか、一次ソースまで戻るのか。何も書かれていません。

2つ目、責任者がありません。書いた人か、別の人か、外注先か、発注側か。これも書かれていません。

3つ目、記録を求めていません。確認したことを示す形は何も要求されていません。やったと言えばやったことになるし、やっていなくても外からは分かりません。

日本語の解説もいくつか出ていますが、どれも「公開前に人がファクトチェックしましょう」で止まっています。

これはGoogleの手抜きではありません。世界中のサイトの社内工程を決める立場にないので、文書の性質としてこうなります。

Googleは公開前の確認がきわめて重要だと書きましたが、何を・誰が・どこまで見れば確認したことになるのかは書いていません。だから線は各社が自分で引くことになります。

線を引かないと、確認は毎回その場の判断になります。忙しい週は誰も見ないまま出て、余裕のある週は担当者が全文を読み直す。品質が週ごとに揺れるうえに、問題が起きたときに誰の工程が抜けていたのかも分かりません。

そこで、確認の単位を5つに分けて渡します。線の位置に正解はありませんが、位置が決まっていることのほうが先に効きます。

だから自社で決めます。公開前に見るのはこの5つです

上から順に見てください。壊れやすいものから並べてあります。

①数字・日付・制度の名前を、出どころまで戻して当てる

AIの出力がいちばん壊れるのはここです。桁が1つずれる、年が1年ずれる、改正前の制度名が混ざる。どれも、読んだだけでは気づけません。

見方は1つに固定してください。その数字の出どころを、ページの名前で言えるかどうかです。「調査で出ています」では足りません。どこの何という資料の何年版か、まで言えるかどうかで切ります。

言えなかったときの処理も決めます。調べ直して直すのではなく、まず消してください。消すほうが圧倒的に早く、その数字が無くても文章が成立することのほうが多いです。成立しないなら、そこは調べ直す価値のある箇所だと分かります。

②固有名詞を1つずつ当てる。実在しない人名と会社名が混ざります

社名の法人格の位置、人名の漢字、製品名の大文字と小文字、肩書き。ここは機械的に当てられるので、最初に片づけると後が楽になります。

注意が要るのは、表記ゆれよりも実在しないものです。生成AIは、実在しない人名や会社名をもっともらしい形で作ります。参考文献の欄、協力企業の欄、監修者の欄に入りやすい。基準は「その人・その会社の公開ページを開けるか」です。

監修者の欄についても1つ。AIで作った顔写真、架空の名前、盛った経歴を置いて、人がその肩書きで書いたように見せるのはやめてください。読者をだます形になります。欄を埋めるために架空の名前を置くくらいなら、空欄のほうが安全です。

③その一文の根拠が自社の中にあるか、外にあるかを分ける

ここが確認の中心です。原稿の文を3つに分けてください。

根拠が自社の中にある文。実際に対応した件数、やってみた結果、顧客から聞いた言葉。これは確認が社内で終わります。根拠が自社の外にある文。統計、公式の仕様、他社の発表。これは一次ソースに当てます。そして、どちらでもない文です。

3つ目がほぼ必ず残ります。AIが一般論として埋めた文です。「近年、企業の情報発信において重要性が高まっています」という形のものです。これは誰も確かめていないし、確かめる方法もありません。

「これは誰が確かめた文か」に答えられない文を消す。これだけで原稿は短くなりますが、残った部分の密度は上がります。

④自社でしか書けないものが足されているかを見る

ここが評価の側といちばん近い論点です。品質評価ガイドラインの考え方は、労力と独自性と付加価値を見るというものです。AIの出力をそのまま出すと、この3つが同時に0になります。他のページに書いてあることが、きれいな日本語で並んでいるだけの状態です。

ただし、この考え方だけでは何が起きるのかが見えません。さきほどのとおり評価者の採点は順位に直接影響しないからです。対処の経路は別に書かれています。2024年3月のGoogleのブログには、大規模なコンテンツの不正利用について、作り方を問わず対応できるようにする、とあります。順位がどうなるかは書かれていないので、ここでも保証はしません。独自の内容も付加価値もない大量の生成が、対処の対象として名指しされている。言えるのはそこまでです。

足せるのはこういうものです。実際に対応した件数の内訳。やってみて失敗した手順とその理由。社内で却下になった案と、却下した理由。顧客が最初に言った一言。見積もりで揉めた項目。どれも、他の会社のページには書いていません。

判断の軸は1つです。その原稿から自社の名前を外しても成り立つ文だけが残っているなら、まだ足りていません。足すべきなのは文字数ではなく、外した名前を戻さないと意味が通らない部分です。

⑤本文の外側も見る。タイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキスト

今回の追記で、確認の対象は本文だけではないと示されています。タイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストまで含まれます。理由も書かれていて、これらが検索結果に表示されうるからです。

後ろの2つを説明します。構造化データは、ページの内容を検索エンジンが読み取れる形で書いた補助情報。代替テキストは、画像が表示されないときに代わりに読まれる説明文です。

対象だと報告されている一方で、実際のやり方を書いたものがありません。次の節で4つを分けて書きます。

本文の外側は、本文と分けて1画面で読んでください

⑤で挙げた4箇所を見ていきます。ここが抜けていると、本文を丁寧に確認した原稿でも、検索結果に出る部分が壊れたまま公開されます。

タイトルは、本文に無い数字が入りやすい箇所です。AIにタイトルを10案出させると、本文で扱っていない年や件数が混ざった案がよく出ます。見るのは、タイトルの中の数字と語が本文に存在するかどうかだけです。

メタディスクリプションは、効果を断定する言い方と、本文に無い約束が入りやすい箇所です。本文で扱っていない内容が書かれていないかを見てください。

構造化データは、いちばん見落とされます。ここには著者名、公開日、FAQの中身などが入ります。プラグインやツールが自動で埋めた値が本文と食い違っていたり、実在しない著者名が入っていたりします。

画像の代替テキストは、AIが画像を見ずに書くので壊れます。本文の流れから推測した説明が入るため、実際の画像と違う内容になります。ここは1枚ずつ開いて見比べる以外にありません。

この4つは、本文とは別に、4つだけを並べて1画面で読んでください。本文の流れの中で読むと内容に引きずられて、書いてあることを正しいと感じます。並べて読むと、本文に存在しない語がすぐ浮きます。読者が最初に目にするのは、このうちタイトルとメタディスクリプションです。

誰が見て、どこで終わりにするか。確認は記録が無いと工程になりません

5つの中身が決まっても、まだ運用になりません。残っているのは量・担当・記録の3つです。

量:出せる本数の上限は、確認に使える時間が決めます

全文を人が読み直せない量を作っているなら、それは確認できない量を作っているということです。

原稿を1本だけ、上の5つで実際に通してみて、かかった時間を測ってください。推定ではなく実測です。それに今月の本数を掛けます。合計が確認に使える時間を超えているなら、本数のほうを落としてください。

削るのは確認の工程ではなく、本数のほうです。確認を省いて本数を維持すると、確認していない記事が増えるだけで、評価の側で見られる独自性も付加価値も増えません。

担当:確認は、書いた人以外が見てください

自分で書いた原稿の誤りには気づきにくい。これはAIで書いた場合も同じで、むしろAIの出力を手直しした人は、自分で手直しした箇所以外を読み飛ばします。

外注している場合は、もう1段あります。外注先の確認と、自社の確認は別の工程です。どちらかがやれば済む話ではありません。発注書か契約に1行足してください。「公開前の事実確認は誰が行い、自社側は何を見るか」です。この1行が無い状態で外注先に「AIを使っていますか」と聞いても意味がありません。聞くべきなのは、公開前に誰が何を確認しているかです。

記録:1行あれば足ります。チェックシートは作らないでください

Googleは記録を求めていません。それでも残すのは、あとで記事の誤りが見つかったとき、どの工程が抜けていたのかを特定できるからです。

形は1行で足ります。原稿の末尾に、確認した人、確認した日、5つのうちどこを直したか。そして公開の条件を1つにします。この1行が入っていない原稿は公開しない。

同じ線は動画にも引けます。自動文字起こし・AIが書いた概要欄・AIが付けたチャプター名

ここが、どのSEOの解説にも出てこない話です。そして今回の追記で名前が挙がっているのは、タイトル・メタディスクリプション・構造化データ・画像の代替テキストの4つで、動画はその中に入っていません。だからここから先は僕たちの読み方です。

根拠はこうです。今回の追記の対象は、AIが生成したコンテンツだと書かれていて、記事だけとは書かれていません。そして動画の周りに置くテキストは、どれも公開されるテキストで、概要欄とチャプター名は検索結果に表示されうる側にあります。だから同じ扱いで見るのが自然です。

自動文字起こしを整形して記事にしたもの。AIに書かせてそのまま貼った概要欄。AIが自動で付けたチャプター名です。企業のYouTube運用で起きやすいのが、この3つです。どれも「動画の付属物」として扱われていて、記事と同じ確認を通っていません。

壊れ方には、自動文字起こしの仕組みから来る型があります。音声認識は学習した語に引き寄せるので、一般的な言葉はきれいに起こせる一方で、辞書に無い固有名詞は近い音の別の語に置き換わりやすい。自社の製品名、人名、業界用語がそこに当たります。つまり、自社の記事として出したときにいちばん困る部分ほど壊れやすい、ということです。自動文字起こしの精度の実感値は動画編集で僕が活用しているAI【AIだけで100点は作れません】に書いたので、そちらをどうぞ。

チャプター名の壊れ方は別です。自動で付けると、話の切れ目ではなく時間の区切りで分かれることがあります。すると、そこで実際には話していないことが見出しになります。見出しだけ読んだ人は、その動画にその話が入っていると思って開きます。これは誤りというより、約束の違反に近い形になります。

概要欄は、記事のメタディスクリプションと同じ壊れ方をします。本文で言っていない効果が書かれる。扱っていない内容が入る。見るところも同じで、概要欄に出てくる語と数字が、動画の中で実際に言われているかどうかです。

字幕とチャプターの整え方そのものは、公式に決まっている条件を含めてYouTube動画をChatGPTに引用してもらう方法【裏技は存在無し】にまとめてあります。今日は手順ではなく、確認の工程に動画の周りのテキストを入れてほしい、という話です。

動画を持っている会社は、この確認が軽く済みます。確認する相手が自社の中にあります

文字起こしの元は、自社の動画です。つまり自社が持っている一次情報です。だから確認の作業が「調べ直す」ではなく、「言った内容と合っているかを見る」だけで済みます。

5つに当てると分かります。①の数字は、動画の中で言った数字と合っているかを見るだけ。②の固有名詞も、当てる相手が社内にあります。③の根拠は全部自社の中なので、外に当てに行く必要がありません。

記事だけで運用している会社は逆です。原稿の根拠が全部外にあるので、一次ソースに当たる作業が毎回発生し、④の付加価値も外から探して足すことになります。

そして④が決定的に違います。現場の人が実際に答えた言葉は、他のどのページにも載っていません。言い回しも、迷った箇所も、例外の説明も、その人が話した形のまま残ります。記事だけでやっている会社より、動画を持っている会社のほうが、足せるものを見つけるのは簡単です。

AIで記事を量産する前に、社内で既に何度も話している内容を撮ってください。営業が毎回説明していること、問い合わせで毎回聞かれること。これが、確認できる原稿の供給元になります。AIは素材を文章の形に整える側で使う。素材そのものをAIに作らせるのとは、確認の重さがまったく変わります。

2026年5月の文書とは別の話です。混ぜると逆の結論になります

切り分けておかないと、検索して読み比べた人が必ず混乱します。

Googleは2026年5月に、生成AI機能に向けてサイトを整えるための新しいガイドを出しています。当ブログでもAEOとGEOの違いを解説【どちらも覚えなくて大丈夫です】で扱いました。あちらは、自社サイトをAIに読まれる側として整える話です。

今日の文書は向きが逆です。自社がAIを使って作った中身を、Googleがどう評価するかの話です。文書そのものも別のものです。

混ぜると何が起きるか。「AI向けに最適化しておけば、AIで書いた記事も問題ない」という結論になります。これは2つの文書を足し合わせた誤読です。読まれやすく整えることと、書いた中身を人が確認することは別の作業で、どちらかをやればもう一方が要らなくなる関係にはなっていません。

社内の資料では、この2つを別のページに置いてください。同じページに並べると、半年後に読んだ人が1つの話として読みます。

YouTubeのAI開示の線とも別です。見ているものが違います

もう1つ、線が似ていて中身が違うものがあります。YouTubeのAI開示です。

当ブログはYouTubeのAI開示は必要?【AIラベルが付く基準は1つだけです】で、YouTubeのAIラベルが付く基準は、AIを使ったかどうかではなく、視聴者が現実だと誤解するかどうかだ、と書きました。今日の話は、Google検索が評価するのは公開した中身に独自の価値があるかどうかで、今回書き足されたのは、そこへ至る工程についての一文だ、という内容です。

どちらも「AIを使ったかどうかでは決まらない」という形をしています。だから同じ話に見えます。けれども、見ている対象が違います。

見るところ YouTubeのAI開示 Google検索の評価
何を見ているか 視聴者が現実だと誤解するか 公開した中身に独自の価値があるか
誰に向けた仕組みか 動画を見る人への表示 検索結果に出す中身の評価
AIを使ったこと自体 判定に入らない 判定に入らない
結果として起きること 動画にラベルが表示される 中身の厚みを評価で見られる
企業がやること 当てはまる類型に当てて申告する 公開前の確認を工程として置く

AIを使ったこと自体の行が同じで、何を見ているかの行が違います。YouTubeが見ているのは、視聴者に対して現実でないものを現実として見せたかどうか。Google検索が評価しているのは、公開した中身に独自の価値が入っているかどうかです。公開前の確認がきわめて重要だという一文は、そこへ至る工程として足されました。前者は嘘の有無、後者は中身の厚みを見ています。

だから「AI開示をしたから検索の側も大丈夫」は成立しません。逆も成立しません。動画にラベルを付けていなくても、文字起こしを確認しないまま記事にすれば、中身の誤りはそのまま公開されます。評価の側で見られるのは、その中身のほうです。2つ別に見てください。

『いやいや、AIを使わなければいいだけでしょ』→ それでは解決しません

そう思った方がいると思います。使わなければ確認も要らない、という考え方です。成立しない理由を3つ。

1つ目。判定はAIの使用では決まっていません。品質評価ガイドラインには、生成AIツールを使ったことだけでは労力の水準もページの品質評価も決まらないと書かれています。使っていないこと自体は評価の材料になりません。人が全部書いていても、独自の内容も付加価値も無ければ同じ扱いです。

2つ目。使っていないことを証明できません。社内の誰かが下書きに使い、外注先も使っています。禁止したところで、報告されなくなるだけです。実態の把握を難しくする方向に効きます。

3つ目。確認の工程は、AIを使わない原稿にも必要です。人も数字を間違えますし、去年の制度名のまま書きます。5つのうちAIに特有なのは②の実在しない人名と会社名だけで、①③④⑤は人が書いた原稿にもそのまま効きます。

だから、作るべきものは「AIを禁止する社内ルール」ではありません。公開前の確認を工程として置くことです。禁止はできませんが、工程は作れます。

日本語版に記述が無いときは、英語版で社内ルールを引いてください

今回の追記は英語版の文書に入ったもので、日本語版への反映は追いついていないと報じられています。僕たちが日本語版を開いて確かめたわけではないので、まずご自身の環境で開いて、記述が入っているかを見てから使ってください。

入っていなかった場合に何が起きるか。確認の工程を入れようとすると、「公式ドキュメントにそんなことは書かれていない」という反論が返ってきます。日本語版を開いて見せられると、こちらに証拠がないように見えます。この場面の対処を、どの日本語の解説も書いていません。

そのときは英語版の内容で引いてください。日本語版に記述が無いのは、日本向けに別の方針があるからではなく、反映が追いついていないからです。運用ルールの文書に「この項は英語版の記述にもとづく」と1行入れておけば、この反論は最初から止まります。

それと、英語版を見る担当を1人決めてください。日本語版の更新を待つ運用にすると、常に数か月遅れた内容で判断することになります。

確かめきれていないことを5つ書いておきます

今日の話には、確かめきれていないところがあります。隠さずに書きます。

1つ目。追記された英語の原文を、原文のページで確かめられていません。報じられている範囲が独立した複数の解説で一致しているので主旨は押さえていますが、細部の言い回しも、文が何文だったのかも確定していません。3文だとする報告がありますが、3文目の中身は取れていません。だから本文では引用の形で原文を載せず、確認できた主旨だけを書いています。

2つ目。更新ログの理由と、実際に追記された文が噛み合っていないという見立ては、更新の前後を比べた解説1本に依拠しています。差分そのものをこちらで突き合わせたわけではありません。Google自身の説明が出れば、この読み方は変わる可能性があります。

3つ目。品質評価ガイドラインの該当箇所の全文を読めていません。だから本文では、労力と独自性と付加価値を見るという考え方の中身だけを扱って、条項の形では書いていません。

4つ目。日本語版の文書が現在どの日付の内容なのかが確定していません。反映が追いついていないことは複数の解説が一致していますが、どの版のままなのかは確かめられていません。だから本文では、時点を伴う書き方をしていません。

5つ目。2026年9月のスパムアップデートとの関係です。時期が近いので関連づけたくなりますが、Googleは両者を結びつけていません。だからこの記事でも結びつけていません。

全体に掛かる限定も1つ。今回、一次ソースのページを僕たちの手元で開けていません。公式ドメインに限定した検索の抽出と、独立した複数の解説の一致で組み立てています。だから細かい表現には、ずれが残っている可能性があります。

例外:この話が当てはまらない会社もあります

1つ目は、AIに書かせているのが公開しない文章だけの会社です。社内の議事録、商談ごとの個別資料、見積もりの下書き。この文書が扱っているのは公開前の確認なので、公開しないものは範囲の外です。

2つ目は、AIを一切使っていない会社です。①③④⑤は人の原稿にもそのまま効きますが、工程を足す優先順位は下がります。いちばん効くのは④です。自社でしか書けないものが入っているかを見てください。

3つ目は、検索から人を集めていない会社です。問い合わせも採用も紹介で足りているなら優先度は低くなります。ただし公開している文章の正確さは、検索とは別の理由で残ります。

4つ目は、動画が1本も無い会社です。後半の動画の話は読み飛ばしてかまいません。文字起こしの確認を設計するより、1本目に何を答えるかを決めるほうが先です。

5つ目は、記事の本数のノルマが社外から降りてきている会社です。確認の工程を足す前に、ノルマの出どころに戻って本数の交渉をしてください。本数が先に決まっている状態で工程を足すと、工程が形だけになります。順番が逆です。

今日のアクション:直近の1本に5つを通して、時間を測ってください

やることは3つです。

1つ目。直近の記事を1本開いて、さきほどの5つを通してください。読むのではなく、5つの観点で当てていきます。かかった時間を測ってください。これが基準になります。

2つ目。測った時間に、今月公開する予定の本数を掛けてください。合計が確認に使える時間を超えているなら、本数を落とす提案を社内に出してください。落とすのは本数で、確認ではありません。

3つ目。外注先に1つ聞いてください。「AIを使っていますか」ではなく「公開前に誰が何を確認していますか」です。答えが返ってこなければ、そこが今の空白の位置です。

やらなくていいことも書きます。AIの使用を禁止する社内ルールは作らないでください。守られないうえに、実態が見えなくなります。「AI不使用」の表示も要りません。判定の材料になっていないからです。日本語版の更新を待つのも不要です。

もっと知りたい方へ:AIと検索の話は、論点ごとに分けて書いてきました

記事 扱っている論点
AEOとGEOの違いを解説【どちらも覚えなくて大丈夫です】 呼び名が増えただけ
AEOとGEOを覚えてもやることは増えない
YouTubeのAI開示は必要?【AIラベルが付く基準は1つだけです】 YouTube側の線
誤解させたかどうかでラベルが決まる
AI検索に引用されるYouTube。整えるべきは映像ではなくテキスト 読まれるのはテキストのほう
動画の周りの文字がAIに届く
YouTube動画をChatGPTに引用してもらう方法【裏技は存在無し】 字幕とチャプターの整え方
公式に決まっている条件はここ
動画編集で僕が活用しているAI【AIだけで100点は作れません】 制作の現場でAIがどこまで使えるか
自動文字起こしの実感値
AI検索に自社が出ない原因【まず検索の生成AIを確認する】 AI検索に出ない原因の切り分け
設定が効く範囲はどこまでか
本記事 公開前の確認の線をどこに引くか
Googleは中身を決めていない

まとめ:確認の線は、Googleではなく自社が引きます

3つに圧縮します。

1つ目。10月1日の更新で足されたのは、公開前の事実確認がきわめて重要だという一文です。理由として、生成モデルは事実を取りに行っておらず、もっともらしい単語の並びを予測しているだけだという説明も一緒に入りました。罰則も新しいランキング要因も発表されていません。判定の基準は以前から同じ場所にあって動いていません。変わったのは工程のほうです。

2つ目。ところが、何を・誰が・どこまで見れば確認したことになるのかは書かれていません。基準も責任者も記録も定められていないので、線は各社が引きます。見るのは、数字と日付と制度名、固有名詞、根拠の出どころ、自社でしか書けないものが足されているか、そして本文の外側の5つです。量の軸は1つで、全文を人が読み直せない量を作っているなら、本数のほうを落としてください。

3つ目。同じ線は動画にも引けます。自動文字起こし、AIに書かせた概要欄、AIが付けたチャプター名です。確認する相手が自社の動画なので、調べ直すのではなく、言った内容と合っているかを見るだけで終わります。

AIを禁止する会議をしているなら、それは今日で終わりにして、公開前の確認を誰の工程にするかを決める会議に替えてください。そのほうが早く進みます。

よくある質問

AIで書いた記事は、Googleからペナルティを受けるようになったのですか?

なっていません。2026年10月1日の更新で入ったのは、公開前に人がすべてのAI生成コンテンツを事実確認し、正確さと信頼できるかを見ることがきわめて重要だという内容です。新しい罰則も、新しいランキング要因も発表されていません。

Googleの立場は2023年2月から変わっていません。AIや自動化の適切な利用はガイドラインに反しない、と書かれています。反するのは、検索順位を操作することを主な目的としてコンテンツを生成する場合です。2024年3月のブログにも、大規模なコンテンツの不正利用には作り方を問わず対応できるようにする、と書かれています。

品質評価ガイドラインにも、生成AIツールを使ったことだけでは労力の水準もページの品質評価も決まらないと書かれています。だから社内の見方を変えてください。「AIで書いたか」ではなく「公開前の確認を通したか」で見る。前者で管理すると、申告の確認が増えるだけで中身は見られません。

公開前の「人による確認」は、どこまでやれば終わりですか?

Googleは決めていません。2026年10月1日にGoogleが生成AIコンテンツのガイダンスへ足した記述は、確認の重要性を書いているだけで、基準も責任者も記録の形も定めていません。書かれているのは重要性で、基準でも責任者でも記録の形でもありません。だから終わりの位置は各社が決めます。

この記事では5つで切ります。数字と日付と制度名、固有名詞、根拠の出どころ、自社でしか書けないものが足されているか、そして本文の外側です。本文の外側とは、タイトル・メタディスクリプション・構造化データ・画像の代替テキストのことです。

終わりの合図は記録のほうで作ってください。原稿の末尾に、確認した人・確認した日・5つのうちどこを直したかを1行入れる。この1行が入ったら公開してよい、という形にします。チェックシートを作ると運用が止まるので、作らないでください。

AIに書かせた記事は、月に何本までなら出して大丈夫ですか?

本数の上限は公表されていません。判断の軸を1つ渡します。全文を人が読み直せない量を作っているなら、それは確認できない量を作っているということです。上限は社外ではなく、自社の確認に使える時間のほうが決めます。

計算は実測でやります。原稿を1本だけ公開前の確認に通して、かかった時間を測る。それに今月の本数を掛けて、確認に使える時間を超えていれば多すぎます。そのときに落とすのは本数で、確認ではありません。落とした分だけ1本の密度が上がります。

もう1つ、確認は書いた人以外が見てください。AIの出力を手直しした人は、自分が直した箇所以外を読み飛ばします。外注している場合は、外注先の確認と自社の確認を別の工程として数えてください。どちらかがやれば済む話にはなりません。

動画の自動文字起こしを、そのまま記事にしてもいいですか?

そのままは避けてください。2026年10月1日のGoogleのガイダンスの追記は、AIが生成したコンテンツを対象としていて、記事だけとは書かれていません。だから自動文字起こしも、AIに書かせた概要欄も、AIが付けたチャプター名も同じ内側だと僕たちは読んでいます。

壊れ方には型があります。一般的な言葉はきれいに起こせるのに、自社の製品名と人名と業界用語だけが別の言葉に置き換わります。自社の記事として出したときにいちばん困る部分が集中して壊れます。チャプター名は尺の区切りで分けられて、話していないことが見出しになります。

ただ、確認そのものは記事より軽く済みます。元が自社の動画なので、調べ直すのではなく、言った内容と合っているかを見るだけです。根拠を外に探しに行く必要がありません。動画を持っている会社のほうが、この工程は軽く回ります。

日本語版のドキュメントには書かれていません。社内ではどちらを基準にすべきですか?

まずご自身で日本語版を開いて、記述が入っているかを確かめてください。2026年10月1日にGoogleが生成AIコンテンツのガイダンスへ足した記述は英語版に入ったもので、日本語版への反映は追いついていないと報じられています。

入っていなければ英語版で引いてください。日本向けに別の方針があるからではなく、日本で公開する記事だけ確認が不要になるという話にもなりません。実務では必ず揉めるので、社内の運用ルールに「この項は英語版の記述にもとづく」と1行入れておいてください。

あわせて、英語版を見る担当を1人決めてください。日本語版の更新を待つ運用にすると、常に数か月遅れた内容で判断することになります。月に1回、英語版の更新ログを見るだけで足ります。

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