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BingのAI Performanceで見るのは引用の回数ではありません【1つの言い回しの割合です】

06 届け方&資産化
BingのAI Performanceで見るのは引用の回数ではありません【1つの言い回しの割合です】
監修者 木村太一(株式会社CVO 代表取締役)

監修者

木村太一 / 株式会社CVO 代表取締役木村太一のInstagram

チャンネル登録者1,400万人「NAS DAILY」の専属編集者。国内外多数のクリエイター・企業の動画制作に携わり、これまでに1,000本以上の動画を制作。「伸ばすだけで終わらせず、事業に残す」動画づくりを信条に、企業のYouTube運用を支援している。

悩む広報担当者のイラスト広報担当者

『BingのAI Performanceを登録して開いてみました。引用の回数は出ているのですが、先月と比べて増えたのか減ったのか、この数字で何を言っていいのかが分かりません…』

こういった疑問に答えます。

本記事では、自社サイトとYouTubeチャンネルを持っていて、AI検索での自社の見え方を社内に説明する広報・マーケティングのご担当者に向けて書いています。

先に結論を3つ出します。

  1. この画面で最初に見る数字は1つだけです。Citation Share、つまり1つの言い回しで表示された引用のうち自社が取れた割合です
  2. 画面の数字は全体のサンプルで、しかも引用はトラフィックではありません。だから回数の増減では何も判断できません
  3. 割合を見ても、残りの何%を誰が取ったかは出てきません。競合と比べる道具ではありません

この記事の要点

  • 見るのは引用の回数ではなく、言い回しごとの割合
  • 引用はトラフィックではない。クリック数も出ない
  • 画面の数字はサンプル。月ごとの増減で判断しない

結論:見るのは引用の回数ではなく、1つの言い回しで取れた引用の割合です

Bing ウェブマスターツールの中に、AI Performance というレポートがあります。無料で、2026年2月のパブリックプレビューで公開され、いまもプレビューです。

この画面の存在と、そこでしか取れない情報があるという話はAI検索の効果測定は何を見る?【動画が引用された先を追いかける】に書きました。今日はその先、画面の中身の読み方だけを扱います。

立場を先に書きます。開いて最初に見る数字は1つだけです。Citation Share です。

Citation Share は、あるグラウンディングクエリ1件について、全サイトに表示された引用の総数のうち、自社に帰属した引用の割合です。ある言い回しで全体に10件の引用が出て、そのうち3件が自社のページなら30%になります。

グラウンディングクエリというのは、AIが回答を組み立てるときに引用元を探しにいった言い回しのことです。人が検索窓に打ち込んだ検索語句とは別物です。

Citation Share は2026年6月に追加された機能で、Intents・Topics・Compare と同時に入りました。どれもプレビューです。

では、なぜ回数ではなく割合なのか。理由は2つです。

  1. 画面に出ている数字は全体の引用活動のサンプルです。サンプリングの率は公開されていません
  2. 引用はトラフィックもクリックも利用者の反応も表さないと、ヘルプに書かれています

回数が増えたか減ったかでは、何も判断できません。判断に使えるのは、1つの言い回しの引用枠のうち自社が何%を取れたかという割合のほうです。

ただし割合も、同じサンプルから計算された数字です。だから割合も絶対値では読みません。読むのは、どの言い回しで取れているかという順序のほうです。

僕たちが読んだ日本語の解説は、回数の指標を紹介するところで止まっているものが多くありました。2026年2月の公開時点の指標を並べて終わっていて、そのあとに入った割合の指標までは扱っていません。この記事で書くのは、その割合をどう読んで、読んだ結果から次に何を決めるかのほうです。

中には「どれだけのトラフィックを生んでいるかを可視化できる」と書いているものもあります。これは誤りです。引用とは、AIの回答の中で自社のコンテンツが参照元として示されたこと、それだけを指します。

Citation Share の場所と単位:数字は言い回し1件ごとに付きます

場所と単位と、見つからなかったときの代わりを順に書きます。ここを飛ばすと、画面を開いた時点で止まります。

場所:Bing ウェブマスターツールの左メニューの「AI Performance」から開きます

Bing ウェブマスターツールにサインインして、所有権を確認したサイトを選びます。所有権の確認というのは、そのサイトが自社のものだとBing側に証明しておく手続きです。

左メニューの AI Performance から開きます。Citation Share・Intents・Topics も、この中の表記です。日本語表示に切り替えたときにどう出るかは僕たちの環境では確認できていないので、英語の項目名で探すのが確実です。初見の読者がいちばん詰まるのはここです。報告書に画面の項目名を書くときは、自分の画面に出ている表示をそのまま書き写してください。

対象は、所有権を確認したサイト単位です。サイト単位なので、ドメインをまたいで合算した画面はありません。期間は7日・30日・3か月のプリセットと、カスタムの指定があります。データは日次で更新されますが、短い処理の遅れがあると書かれています。何日の遅れかは公開されていません。

単位:サイト全体の総合シェアではありません

ここが読み違えられやすいところです。割合は言い回し1件ごとに付きます。サイト全体で何%という総合の数字ではありません。だから「自社のCitation Shareは25%です」という報告の書き方は、そもそも成立しません。書けるのは「この言い回しでは40%、この言い回しでは5%」という形だけです。

分母は、その言い回しで全サイトに表示された引用の総数です。自社の引用の件数が同じでも、他社の引用が増えれば自社の割合は下がります。

逆向きも起きます。AIがその言い回しで引く件数そのものが減れば、自社の件数が減っていても割合が上がることがあります。分子と分母のどちらがどれだけ動いたかは画面から分けて読めません。

つまりこの数字は、自社の努力だけでは動きません。上がったら施策が効いた、下がったら失敗した、という読み方ができない指標です。

見つからないとき:まず期間を3か月に広げ、言い回しが1件でも並ぶかを見ます

プレビューの機能なので、画面の作りは変わりえます。そして、引用の活動が非常に少ない、またはまれな場合は画面に出ないことがあると書かれています。探す順番を決めておいてください。まず期間を3か月に広げます。次に、言い回しの一覧に1件でも並ぶかを見ます。

並んでいれば、その言い回しごとの割合を探します。割合の表示が見つからないときは、数字を読まず、どの言い回しが並んでいるかの一覧だけを写し取ってください。読むのは回数ではなく、聞かれている問いの種類です。

1件も並ばないなら、割合の前に見る材料がありません。その状態の読み方は後の節に書きました。空のまま画面を往復しても時間だけが減ります。

Citation Share では、残りの何%を誰が取ったかは出てきません

割合と聞くと、次に出てくるのは「残りは誰が持っているのか」です。出てきません。競合のドメイン名は表示されません。自社が30%なら、残りの70%は誰のものか分からないまま残ります。市場シェアでもトラフィックシェアでもない、という言い方が正確です。

「Citation Share」という名前だけを見ると、競合との引用シェアを比較できる機能だと受け取られます。比較の相手が画面に出てこないので、その読み方は成り立ちません。だから報告書に「競合に勝った」とは書けません。書けるのは、自社がその枠のうち何%を占めたかまでです。

では何に使うか。自社の言い回し同士の序列です。割合の高い順に並べると、守る対象と取りにいく対象が分かれます。割合が高い言い回しは、すでにAIが自社を使っている場所です。どのページが引かれているかは後の節の見方で引けます。そのページを消したり構成を変えたりすると、取れていた枠を自分で手放します。更新の優先度を上げる対象になります。

割合が低い言い回しは、AIがその問いで自社を1件だけ添えている状態です。ここは他社の説明のほうが使われているので、同じ問いに自社の答えを置き直す余地があります。

ここで注意が1つあります。割合が100%でも喜べません。その言い回しで引用が1件しか出ていなければ、その1件が自社なら100%になります。

だから割合の横に、回数を並べて見てください。回数は単独では判断に使えませんが、割合の分母がどれくらいの大きさなのかを知る手がかりにはなります。両方が立っている言い回しだけを「取れている」と読む。これが僕たちの判断の仕方です。

Compare は競合との比較ではなく、期間同士の比較です

Compare も読み違えられます。これは同じグラフに前の期間を重ねる機能です。直近30日と、その前の30日を並べる形ですね。任意の2期間をカスタムで指定できます。比べているのは時間で、他社ではありません。名前から競合比較だと読まれやすいので、社内で説明するときは先に言っておいたほうがよいです。

使い方は1つに絞れます。記事や動画を公開した日を境に、前後で期間を切る。これだけです。

注意を3つ書きます。1つ目は期間の長さです。画面の数字はサンプルなので、7日同士で比べると差が出やすい。比べる期間は30日以上で揃えてください。

2つ目は終わりの日です。処理の遅れがあるので、直近の日付を含む期間は数字が埋まりきっていないことがあります。終わりの日を少し手前に置くと、比較が安定します。何日手前にするかは公開されていないので、自分の画面で確かめてください。同じ期間を日をずらして2回開き、直近の数日の数字が後から埋まるかを見れば、何日手前に置けばよいかが決まります。

3つ目は中身の内訳です。どの面で引用されたかの内訳は出てきません。公式が対象として挙げているのは Microsoft Copilot、BingのAI生成要約、一部のパートナー統合の3つですが、どれで引用されたのかを分けて見ることはできないので、面の構成が変わっただけでも数字は動きます。このパートナーの具体名は公開されていないので、「ChatGPTで引用されたかもこれで分かる」とは言えません。含まれないと断定することもできません。社内には「分からない」とそのまま伝えてください。

これを踏まえると、Compareで見るのは割合の順位が入れ替わったかどうかです。絶対値の差は追いません。

引用はトラフィックではありません。数えているのは引用の件数で、クリックは出ません

ヘルプにはっきり書かれています。引用はトラフィックもクリックも利用者の反応も表さない、と。クリック数も出てきません。だから「引用が増えたから流入が増える」という文は書けません。因果でつなぐ根拠が画面のどこにもない状態です。

引用されたのに流入が増えない、という状態も普通に起きます。AIの回答の中で用が済んでしまえば、人はこちらまで来ません。だから引用の値打ちは、流入の側ではなく、AIの回答の中に自社の名前が置かれることのほうにあります。

置かれたあとに人が何をするかを数える話は、記事の最後に置いた表の1本目で扱っています。管理画面が分かれていて見えるものが互い違いになる話も、同じ記事のほうです。

ここで数えているものの違いを押さえてください。Bing側が数えているのは引用の件数で、クリックは出ません。Googleの生成AIパフォーマンスレポートが出すのは表示回数だけです。同じ「AIに出た」という話でも、単位が違います。足して1つの数字にはなりません。

では企業はどうするか。社内の資料では列を分けます。流入はアクセス解析、引用はこちら。同じ表に並べると、必ず誰かが足し算を始めます。Google側の生成AI機能の分がここに出てこないことも、あわせて伝えてください。この画面はMicrosoft側の話なので、Googleの数字の代わりにはなりません。

画面の数字はサンプルです。「先月より20%減った」では何も判断できません

ここが、僕たちが読んだ解説記事では触れられていなかったところです。前に書いた2つの性質、つまり数字がサンプルであることと、活動が少ない言い回しは画面に出ないことが、ここで効いてきます。何分の1を見ているのかが分からず、出ていないことと無いことも区別できない数字だ、ということです。

この性質は、自社の時系列の比較にもかかってきます。先月並んでいた言い回しが、今月は一覧から消えることがあります。引用が止まったからだとは言えません。活動が少ない言い回しは、画面に出ない側へ回ることがあるからです。

だから「先月より20%減りました」は、施策が失敗した証拠になりません。サンプルの取り方が変わっただけ、という可能性を消せないからです。プレビューであることも、ここにかかってきます。指標の定義そのものが変わりえる段階なので、前月の数字と並べるときは、定義が同じかどうかを先に確認してください。

では何に使うか。絶対値を追うのをやめて、順序だけを読みます。どの言い回しで取れていて、どこが取れていないか。順序ならサンプルでも読み取れる、というのが僕たちの見方です。報告書に月ごとの増減を書かないでください。書くのは、どの言い回しで引用の枠を取れているかの一覧です。

立場を書きます。この画面は、報告書に載せる数字としては弱いです。次に何を書くかを決める材料としては強い。使い道を間違えると、毎月の説明が苦しくなります。

Intents:言い回しの偏りが、AIが自社をどういう役で使っているかを表します

言い回しが数十件並ぶと、1件ずつは読めません。そこを助ける機能が2つ、同じタイミングで入っています。1つ目が Intents です。言い回しを意図のカテゴリに分類する機能で、公式が挙げている例は Informational、Commercial、Navigational、Learn and Solve、Research、Creation、Local などです。

読み分けは3通りで足ります。説明してくれる相手として呼ばれているのか、検討に入っているのか、名前で探されているのか。数えているのはカテゴリの名前ではなく、読み分けの型です。自社の言い回しがどのカテゴリに偏っているかを見てください。偏りは、AIが自社をどういう役で使っているかを表します。

Informational ばかりなら、AIは自社を「説明してくれる相手」として使っています。知名度の土台にはなりますが、買う手前の検討には入っていません。

Commercial や Research が並んだら、話が変わります。AIが比較や調査の答えを組み立てるときに、自社を引きにいっている状態です。ここは割合を上げる値打ちが高い。社内で次の1本の優先度を説明するときも、この2つが並んでいるかどうかを根拠にできます。

Navigational が多い場合は、自社の名前そのものが手がかりになって引用元が探されています。すでに名前を知られている側の需要なので、新規の獲得には効きません。名前で探されている件数が多いことを、新しい需要の証拠として報告しないでください。

残りのカテゴリは、出ていたら参考にする程度で構いません。カテゴリの名前も分類の仕方もプレビューのまま変わりえるので、社内の手順書にカテゴリ名を書き込まないでおいてください。

なお、ここに並ぶのは人が検索窓に打った語ではないので、カテゴリの名前をそのまま人の検索意図として読み替えないでください。

Topics:次に作るテーマは、1件ずつではなく束で決めます

2つ目が Topics です。関連する言い回しをテーマ単位のかたまりに束ねる機能です。束ねられるのは言い回しのほうで、自社のページが束に並ぶわけではありません。

次に作るテーマを決めるときは、ここから入ります。言い回しを1件ずつ見ていると、1本の記事で引き受けられる範囲より細かいところで迷います。束で見れば、1本が引き受ける問いのかたまりがそのまま見えます。

束の中の言い回しを1件ずつ開いて、どのページが引かれているかを見てください。束の中の言い回しのほとんどで自社が引かれていないなら、そのテーマは取り切れていません。追加の1本をどこに置くかが、ここで決まります。

逆に、1つの束の言い回しが自社の複数のページにばらけて当たっているなら、増やすより1本にまとめ直すほうに手を入れます。

Topics もプレビューです。束ね方が変わることを前提に、束の名前を社内の指標の名前として使わないでください。

言い回しとページは双方向に引けます。次の1本はここで決まります

もう1つ、企業にとって実用の価値が高い機能があります。言い回しとページを双方向に行き来できる仕組みです。言い回しを選ぶと、それで引用されたページの一覧が出ます。ページを選ぶと、そのページを引用させた言い回しの一覧が出ます。片方向ではありません。

ここから2つの判断ができます。1つ目は、更新の優先度です。1つのページが多くの言い回しを集めているなら、そのページがAIにとっての自社の代表です。手を入れる価値が高いのはそこで、新しく1本増やすより、そこを直すほうを先にします。

2つ目は、ずれの発見です。言い回しは出ているのに、引いているページが自社の意図と違うことがあります。昔書いた記事が代表になっている形ですね。

この一覧は、AIが自社を何の専門家だと思っているかの鏡として読んでください。自社が名乗っている専門分野と、引かれている言い回しが合っていないなら、合っていないほうが現実です。

ずれを見つけたら、やることは2つのどちらかです。名乗っている分野の問いに1本置き直すか、実際に引かれている分野を自社の看板に足すか。先に決めてから次の1本に入ってください。

構造上の限界も1つ書いておきます。ここに並ぶのは、引用が実際に起きた言い回しだけです。聞かれているのに自社がまったく引かれていない問いは出てきません。つまり、自社の空白を探す道具ではありません。空白を見つけたいなら、お客さんから実際に来た質問を数えるほうが早い。この画面は、取れている場所を確かめる側に使います。

なお、ここに並ぶのは自社サイトのページだけです。YouTubeに置いた動画の分は出てきません。動画側をどう測るかは、記事の最後の表にまとめた効果測定の記事のほうで扱っています。

登録は Search Console からインポートするのがいちばん速いです

ここまで読んで登録していなかった方へ。所有権の確認が前提ですが、Search Consoleを使っている会社なら、作業は1回で済みます。

自社で完結する作業:インポートを1回

手順はこうです。Bing ウェブマスターツールにサインインして、My Sites を開きます。Import を選び、Googleアカウントでサインインして許可します。確認済みサイトの一覧が出るので、入れたいサイトを選んで Import を押します。

インポートしたサイトは、自動的に所有権確認済みになります。metaタグもDNSも触りません。ここが大きい。一度に最大100サイトまで入ります。グループ会社や事業ごとにドメインを分けている会社でも、1回で済みます。

完了の確認は My Sites で取れます。インポートしたサイトが一覧に並び、所有権が確認済みになっていれば、登録はそこで終わりです。

前提が1つあります。Search Console側で所有権が通っていないサイトは、この一覧に出てきません。出てこないサイトは、Search Console側を先に通すか、次に書く4つの方法に回してください。インポートのあと、データが入るまで最大48時間かかります。その日に開いて空だったとしても、そこでは何も判断しないでください。

実装者が要る作業:Domain Connect・XMLファイル・metaタグ・DNS

インポートを使わない場合の所有権の確認は4つです。公式の推奨は Domain Connect で、ドメインを借りている事業者の画面でサインインすると、必要なCNAMEを自動で入れてもらえる仕組みです。対応している事業者のときだけ選択肢に出ます。出ないときは残りの3つから選びます。

2つ目は、ルートに置くXMLファイルです。Bingが出す BingSiteAuth.xml を、サイトのいちばん上の階層にアップロードします。サーバーにファイルを1つ置けるなら、手数はこの方法が少なくて済みます。

3つ目はトップページへのmetaタグです。Bingが出した1行をトップページの head の中に貼り付けて、読み取ってもらう方法ですね。4つ目はDNSのCNAMEレコードで、ドメインの設定に指定のCNAMEを1件足し、そのドメインを扱える立場であることを示します。Domain Connect は、このCNAMEの追加を事業者側の画面から自動で済ませる仕組みです。

どれもサイトかDNSを触れる人が必要です。社内に実装者がいないと、ここで止まります。Search Consoleで所有権が通っている会社なら、インポートを選ぶほうが速い。

落とし穴を1つ書きます。Bing側は定期的にSearch Console側と同期して、所有権を確かめ直します。つまりSearch Console側のアクセスを外すと、つなぎ直すか、別の方法で確認し直すことになります。つなぐGoogleアカウントは、社内で引き継げるものにしてください。

退職する人の個人アカウントでつなぐと、権限を整理した日に切れます。切れたことは誰も気づかないので、半年後に開いたら空、という形になります。

Search Console側のプロパティと権限の単位は、AI検索から自社を外す「検索の生成AI」設定、切る前に見てください【外れるのは自社サイトの分だけ】に整理しました。誰がオーナーなのかを数える話も、そこに書いてあります。

開いて何も出なかったときの読み方:空は「引用されていない」証明になりません

僕たちが見てきた範囲では、最初に開いた画面はほぼ空です。ここで止まる会社が多い。だから、空から何を読んで、次に何を決めるかまでを書きます。

空の理由は4つあります。順に潰してください。

  1. 所有権が確認済みになっていない
  2. インポートから48時間が経っていない
  3. 短い処理の遅れが乗っている
  4. 引用の活動が少ない、または実際に引用が無い。この2つは画面から区別できない

1つ目は My Sites で確かめます。インポートしたサイトが一覧に並んで、所有権が確認済みになっているかどうかです。インポートが途中で止まっていると、画面は空のまま何も変わりません。

4つ目が大事です。空は「引用されていない」証明ではありません。サンプルを見ているので、出ていないことと無いことを区別できないからです。

では何をするか。回数を増やす施策を探すのではなく、言い回しが1件立つテーマを作ります。繰り返し聞かれる質問に、1本で答え切っているページを作る。空を埋める入口はここです。

引用される側をどう整えるかは、YouTube動画をChatGPTに引用してもらう方法【裏技は存在無し】に書きました。動画側の字幕とチャプターは、YouTubeが示している条件を満たすところから始めれば十分です。

逆に、やらないほうがよいことも書きます。他社の記事を真似して本数だけ増やすことです。網羅型のまとめ記事は、1つの問いに1つの答えを返す形になっていません。本数を増やしても、引用元として呼びにいかれる言い回しが立つとは限りません。

空でも登録は外さないでください。さかのぼれる範囲が公開されていないので、置いておくしか手がありません。報告書には「空だった」とそのまま書いてください。空を隠して回数ゼロを施策の失敗として報告すると、来月も同じ説明をやり直すことになります。

自社が見る意味があるかは、登録してから決めてください

登録するかどうかの判断軸は、シェアの大きさではなく、そこでしか取れない情報があるかどうかです。この画面に当てはめると、判断は2つに分かれます。

1つ目は、自社の画面が空かどうかです。これは登録しないと分かりません。だから先に登録します。作業はインポート1回で、費用はかかりません。登録してからでも判断は間に合うので、先に決めてしまう理由がありません。

2つ目は、空だったときに続けるかどうかです。こちらは画面を見なくても決められます。判断に使うのは自社のアクセス解析のパソコン比率で、登録の前から手元にある数字です。

国内のシェアの推移は日本の検索エンジンシェア2026【パソコンはGoogleとBingが互角】に整理しました。日本のパソコンではBingの比率が無視できない水準にあり、スマートフォンでは差が大きく開きます。ただし見るのは全国の平均値ではなく、自社の数字のほうです。

パソコンが半分を超えているなら、空でも半年は置いておく値打ちがあります。法人向けの商材は、会社の端末から調べられる場面が多いと見ています。どちらとも言えない比率のときは、問い合わせや資料請求に至った人の端末だけで、もう一度比率を出してください。全体のアクセスではなく、成果に近い側で決めます。

個人向けで、アクセスの大半がスマートフォンなら、登録したまま置いておくだけで構いません。毎月開く作業を運用に組み込む必要はありません。

『いやいや、競合名も出ない、サンプルで、クリックも分からないなら、見ても意味ないでしょ』→ 使うのは報告書ではなく、次に何を書くかを決めるときです

そう思われたはずです。競合と比べられない、数字の確からしさも分からない、流入にもつながらない。それなら開く理由がない、と。3つ書きます。1つ目。意味があるのは1つだけです。どの言い回しで自社が引用の枠を取れているか。この形の数字は、Google側のどの画面にも出てきません。

2つ目。回数と割合では、残るものが違います。回数は自社だけの数で、分母が見えません。割合は他社の引用も含めた1件の枠の中での位置なので、引用の件数そのものが動いても読む意味が残ります。

3つ目。コストがインポート1回です。やらない判断にも理由が必要な水準の手間しかかかりません。

運用の形も決めておきます。月1回開いて、割合の高い順に言い回しを並べ替えるだけです。10分で終わります。毎日開くと、サンプルの揺れを施策の成果として読んでしまいます。

どこまでさかのぼれるかは公開されていません。だから毎月書き出して自社に残します

断定できなかったことの中で、企業の運用に効くものを1つだけ別扱いにします。この画面がどこまでさかのぼれるかです。一次の記述を確定できませんでした。通常の検索のレポートに保持期間があるからといって、この画面に同じ期間が適用されるとは書かれていません。

確かめ方は自分の画面でできます。期間をカスタムで過去に伸ばして、どこで止まるかを見るだけです。止まった日付を社内にメモしておけば、来期の比較の相談が早く済みます。ただし止まった日付も、公開された仕様ではなく自分の画面の実測です。社内には実測と書いておいてください。

そのうえで、月末に自社側の記録を取ってください。手で写す必要はありません。表はCSVまたはExcelで書き出せます。グラウンディングクエリ、引用されたページ、時系列のそれぞれを、そのときかけているフィルタを適用したまま出せます。

AI Performanceのデータを取れる公開APIは無いので、残すならこの書き出しが唯一の持ち出し口です。さかのぼれる範囲が分からないうえに、活動の少ない言い回しは画面から消えます。月末の書き出しを1か所に積んでおけば、画面の仕様に左右されずに自社の記録が残ります。

書き出すときは、期間とフィルタを毎回揃えてください。フィルタがそのまま効くので、違う条件で出したファイルを並べると、比べられないものを比べることになります。ファイル名に期間を入れておくだけで足ります。

例外:この話が向かない会社もあります

4つあります。1つ目は、自社サイトを持たず、YouTubeとSNSだけで発信している会社です。この画面は所有権の確認が前提なので、確認する対象そのものがありません。

2つ目は、Search Console側のアクセスを近いうちに整理する予定がある会社です。インポートでつないだ所有権は定期的に確かめ直されるので、整理の日に切れます。先に別の方法で所有権を通してから登録するほうが手戻りがありません。

3つ目は、報告書に毎月の増減を書くことが決まっている会社です。サンプルの数字を増減として扱うと読み違えます。運用の形を変えられないなら、この画面は社内に出さないほうがよい。

4つ目は、記事も動画もまだ数本の会社です。引用の活動が少ないと画面に出ないので、見る前に材料が足りていません。繰り返し聞かれる質問を1本にまとめるほうが先です。

逆にいちばん効くのは、説明の記事を何年か積んできた会社です。言い回しが数十件並ぶので、Topicsの束を見るだけで次に撮る動画のテーマが決まります。何本か積んだあとに、束の中の言い回しで自社の割合の順序が入れ替わったかを見ます。回数の増減は見ません。

割合を見たあとに残るのは、引かれる材料をどれだけ持っているかという話です。僕たちCVOは、YouTube運用、インフルエンサーマーケティング、動画編集者育成の3つを手がけています。繰り返し聞かれる質問を動画と記事の両方に残していく流れから、制作まで一緒に組めます。お問い合わせからどうぞ。

今日のアクション:インポートを1回と、48時間後に表の書き出し

作業は2つだけです。1つ目。Bing ウェブマスターツールにサインインして、My Sites から Import を選び、Googleアカウントでつないで自社のサイトを入れます。ここまでで所有権の確認は終わります。

2つ目。48時間おいてから AI Performance を開き、期間を30日にして、表をCSVまたはExcelで書き出します。手打ちはしません。書き出したら、割合の高い順に上から5件だけ目を通してください。

空だったら「空だった」と1行メモして閉じてください。今日やるのは、2日後に見る準備を終わらせるところまでです。

もっと知りたい方へ:測る側の記事は、見る場所ごとに分けて書いてきました

記事 扱っている論点
AI検索の効果測定は何を見る?【動画が引用された先を追いかける】 効果をどこで測るか
3つの管理画面で見えるものの違い
AI検索から自社を外す「検索の生成AI」設定、切る前に見てください【外れるのは自社サイトの分だけ】 Google側で自社を止めていないか
スイッチの射程
日本の検索エンジンシェア2026【パソコンはGoogleとBingが互角】 Bingを無視できない理由
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YouTube動画がGoogle検索でどう見つかるか?【Search Consoleで無料で分かる】 Google側の管理画面の登録と見方
プロパティという単位
YouTube動画をChatGPTに引用してもらう方法【裏技は存在無し】 引用される側を整える
字幕・チャプターの公式条件
本記事 Bing側の画面の読み方
回数ではなく割合を読む

まとめ:回数を数えるのをやめて、言い回しごとの取り分を読んでください

3つに圧縮します。1つ目。この画面で最初に見る数字は Citation Share です。あるグラウンディングクエリ1件について、全サイトに表示された引用の総数のうち、自社が取れた割合です。サイト全体の総合シェアという指標ではないので、報告書には言い回しごとに書きます。

2つ目。回数の増減では何も判断できません。画面に出ているのは全体のサンプルで、率は公開されていません。そして引用はトラフィックでもクリックでもないと書かれています。先月より20%減ったという数字は、施策の失敗を意味しません。

3つ目。割合を見ても、残りの何%を誰が取ったかは出てきません。競合のドメイン名は表示されないので、競合比較の道具としては使えません。Compare も競合ではなく期間同士の比較です。

そして割合が100%の言い回しを見つけたら、まず回数を確かめてください。引用が1件しか出ていない言い回しなら、100%は強さではありません。割合と回数の両方が立っている言い回しだけが、いま自社が取れている場所です。

この画面は、報告書のための数字ではありません。次に何を1本作るかを決めるための材料です。月1回、上から5件を見るところからどうぞ。

よくある質問

競合がどれだけAIに引用されているかは、このレポートで分かりますか?

分かりません。Citation Share で出るのは自社の割合だけで、競合のドメイン名は表示されません。自社が30%なら、残りの70%を誰が取ったのかは画面から読めない形です。

市場シェアでもトラフィックシェアでもないので、「競合より引用されている」という報告には使えません。使えるのは、自社の言い回し同士の序列までです。どの問いで自社が多く使われていて、どの問いでは1件だけ添えられているか。その並びなら画面から読めます。

代わりにできることが1つありますが、限界を先に書きます。ここに並ぶ言い回しは人が打つ語ではないので、そのまま投げても同じ引用のされ方は再現されません。出てきた社名は競合の一覧にはなりません。そのうえで、画面の言い回しをCopilotに投げて、回答の出典に誰が並ぶかを見る。周辺でどんな会社が出典に挙がるかの手がかりとして見るだけにしてください。

Citation Share が低い言い回しは、記事を書き直せば上がりますか?

上がるとは言えません。書き直したのに割合が下がる、という結果が普通に起こります。分母は全サイトの引用の総数なので、同じ月に他社が同じテーマで記事を出しただけでも下がります。

逆も起きます。自社の中身を何も触っていないのに、割合が上がることがあります。だから上下の原因を自社の記事に求めると、判断を間違えます。書き直した効果だけを割合から取り出す手は、この画面にはありません。

やれるのは、引用される形に整えることまでです。1つの問いに1本で答え切る構成にして、見出しで答えの場所を分かるようにする。そのうえで割合は、数か月単位で見てください。見るのは先月との上下ではなく、3か月前と比べて言い回しの順序が入れ替わったかどうかです。

自社サイトが複数あるとき、まとめて見られますか?

まとめた数字は出ません。このレポートは所有権を確認したサイト単位なので、ドメインをまたいだ合算の画面はありません。サイトごとに開いて読む形になります。

登録のほうは1回で済みます。Search Console からのインポートは一度に最大100サイトまで入るので、グループ会社や事業別のドメインをまとめて確認済みにできます。ただしSearch Console側で所有権が通っていないサイトは、インポートの一覧に出てきません。

社内で見る順番だけ決めておいてください。ドメインが多いと全部を毎月開くことになり、続きません。見るドメインを絞るほうが、記録として残ります。問い合わせにつながる1つのドメインだけを月1回見て、残りは四半期に1回まとめて開く形が現実的です。

画面に出てきた言い回しを、そのまま記事のタイトルに使ってよいですか?

そのままは使わないほうがよいです。ここに並ぶ言い回しと、人が検索窓に打つ検索語句は別物だからです。この切り分けはAI検索の効果測定は何を見る?【動画が引用された先を追いかける】に書きました。

もう1つ、画面に出ているのは全体のサンプルです。1件だけ出てきた言い回しをそのままタイトルにすると、実際には誰も使っていない言い方を記事名に据えることになります。しかも全体の引用がその1件だけだった言い回しは割合が100%と出るので、画面の中ではかえって目立ちます。

使い方は束のほうです。Topics で関連する言い回しがかたまりになるので、その束が何を聞かれているのかを自分の言葉で言い直して、テーマにします。言い回しは材料で、タイトルではありません。検索語句として打たれている形は、Search Console側で別に確かめてください。

この数字を社内の報告書に載せるとき、何を添えればよいですか?

3行添えてください。1つ目は、画面に出ているのは全体の引用活動のサンプルで、率は公開されていないこと。2つ目は、引用はトラフィックでもクリックでもないこと。

3つ目は、プレビューの機能なので指標の定義が変わりえることです。2026年2月の公開から今も、この状態が続いています。この3行があるだけで、増減を成果として読まれる事故をだいぶ減らせます。どの面で引用されたかの内訳が出ないことも、必要なら足してください。

そのうえで、載せる中身を割合の一覧に変えてください。前月との増減ではなく、どの言い回しで自社が引用の枠を取れているかを上から5件。回数を横に添えると、割合の分母の大きさも一緒に伝わります。一覧はCSVかExcelで書き出せるので、画面から消えても自社に残る記録になります。

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