BLOG
YouTubeにアンチからコメントが来た時の対処法【荒れたら押すのは一時停止】
広報担当者
『会社のYouTubeに上げた動画に、攻撃的なコメントが数件付きました。消すべきか、言い返すべきか、コメント欄ごと閉じるべきか。誰も決められないまま社内で止まっています…』
こういった疑問に答えます。
本記事では、自社のYouTubeにアンチのコメントが付いて、今日なにかを決めないといけない広報・マーケティングのご担当者に向けて書いています。
その前に1つだけ。アンチのコメントが来ても、落ち込む必要はありません。
心の中でこう思ってください。「暇な人が、わざわざ時間をかけて書いてくれたんだな。ありがとうございます、インプレッションが上がりました」。これくらいでちょうどいいです。
落ち込むのは時間の無駄です。1件のコメントで社内の空気が重くなると、このあとの判断がぜんぶ鈍ります。手が止まっているあいだも動画は回り続けるので、感情はここで置いてから、下の順番に進んでください。
先に順番を出します。押すボタンは、来ている量で決まります。
- 1件だけなら、放っておくか、その人を非表示にする。非表示にしても相手に通知は行きません
- 続けて来るなら、その動画のコメントを一時停止する。新規だけが止まり、これまでのコメントは残ります
- オフは最後。これまでのコメントも見えなくなり、擁護も質問も一緒に消えます
この記事の要点
- アンチ1件なら、非表示にすれば相手に通知されない
- 続けて来るときに押すのは、オフではなく一時停止
- オフにすると、擁護も質問も一緒に消える
結論:1件なら非表示、続くなら一時停止、オフは最後です
アンチのコメントが付いたとき、社内で出てくる案はだいたい3つです。消す。言い返す。コメント欄を閉じる。この3つが同じ机の上に並ぶので決まりません。強さがまったく違うものを横一列で比べているからです。
順番にすると決まります。1件なら非表示、続けて来るなら一時停止、オフは最後です。来ている量が増えたら1段ずつ上げる。最初から最後の段には飛ばない。
なぜ順番が大事なのか。いちばん強い操作が、いちばん失うものが多い操作だからです。1件のアンチのためにオフを押すと、その1件と一緒に、これまでに付いた全部のコメントが視聴者の画面から消えます。荒らしを1人止めるために、何年ぶんかの会話を落とす形です。
手間の重さも3段で違います。非表示は見つけたときの1回で終わり、あとは何もいりません。オフは作業ゼロです。手間がかかるのは真ん中の一時停止だけで、ここには「いつ戻すか」を決める人が必要になります。つまり、いちばん楽な操作といちばん重い結果が、同じボタンについています。
この記事で扱うのは、自社チャンネルの管理画面でできることだけです。動画そのものの内容や、社外での広がり方への対応は別の話になります。
アンチのコメント1件に、今できることは3つあります
まず1件のときです。ここで取れる手は3つあります。
- 非表示にするユーザーに入れる
- YouTubeに報告する
- 何もしない
順に書きます。
非表示にすると、本人には通知されません
非表示にするユーザーは、相手のアカウント単位で効く設定です。入れると、その人のコメントは他の視聴者に表示されなくなります。1件を消す操作ではなく、以後そのアカウントから来るコメントもまとめて見えなくなる形です。止まるのはコメントだけではありません。チャットもコミュニティへの投稿も同じように表示されなくなります。
入れ方は2つあります。早いのは、そのコメントの横にあるその他アイコンから「チャンネルから非表示にする」を選ぶやり方です。アンチのコメントを見つけたその画面から、1手で入ります。
もう1つは管理画面からです。相手のチャンネルのページを開いてURLを控え、チャンネルの設定の中の「コミュニティの管理」から「ユーザー管理」を開きます。「非表示のユーザー」の欄にそのURLを貼って保存すれば入ります。同じ画面に「承認済みのユーザー」も並んでいて、解除したいときはこの欄から削除します。入れるのも外すのも同じ場所なので、迷ったら先に入れておいて構いません。

企業にとって効くのはここです。非表示にしたことは本人に通知されません。だから「消された」と言われて二次的に荒れる形になりにくい。ただし別の見え方で気づく可能性は残るので、絶対にばれないとまでは言えません。言えるのは、こちらから知らせは行かない、というところまでです。
社内で反対が出たときは、この一点を説明してください。非表示は攻撃ではなく、相手に気づかせないまま視聴者の画面をきれいにする設定です。
報告するのは、ポリシーに反しているときだけです
嫌がらせ、脅迫、個人情報の書き込みのように、YouTubeのポリシーに反する内容なら、そのコメントを報告できます。判断するのはYouTube側なので、報告すれば必ず消えるとは書けません。手元で隠すのとは別の道で、結果もこちらでは決められません。
だから使いどころは限られます。気に入らないコメントを片っ端から報告しても、返ってくるのは待ち時間です。ポリシーに反していそうなものだけを報告して、それ以外は次の項目で処理してください。
何もしない。多くの場合、これが正解です
3つ目です。そして、いちばん選ばれない選択肢です。
アンチのコメント1件に社内が動くと、そのコメントは社内で何回も読まれます。返信の文面を考え、上に共有し、会議の議題になる。外から見れば1件のままなのに、中では大ごとになっています。
反応しないほうが、話が伸びません。返信すると、その返信に対する返信が来ます。荒らし目的の相手にとっては、企業アカウントの反応そのものが目的です。何も返ってこないコメントは、そこで終わります。
対処する対象を3つに絞ってください。ポリシーに反しているもの、事実が間違っているもの、同じ趣旨が繰り返し来ているもの。この3つ以外は、放っておいて構いません。「全部に対処しなければいけない」と思っている人ほど、手が止まって時間だけが過ぎます。
削除と非表示は、効く範囲が違います
「誹謗中傷のコメントは削除すべきか」で調べて来た方向けに書いておきます。自社の動画に付いたコメントは、管理画面から1件ずつ削除できます。ただし削除はその1件にしか効きません。同じ人が翌日また書けば、また削除することになります。
非表示はアカウントに効くので、以後そのアカウントのコメントは他の視聴者に表示されません。1件で終わりそうなら削除、同じ人が続きそうなら非表示。これが使い分けです。両方やっても構いません。
返信すべきか、無視すべきか
アンチのコメントの話で必ず出る問いなので、正面から答えます。事実の誤りだけ短く訂正し、感情には返さない。これが企業のアカウントの立ち位置です。
分け方は難しくありません。「この製品は補助金の対象外だ」「この会社はもう営業していない」のように、読んだ人が誤解したまま去る内容は訂正します。放っておくと、そのコメントが他の視聴者にとっての事実になります。動画の下に置かれた間違いは、検索から来た人が本文と一緒に読みます。
一方「センスがない」「見る価値がない」は感情です。ここに返すものはありません。相手の評価を変えるための返信は、他の視聴者にとって読む価値がない文字列です。
訂正するときの型を書きます。
- 事実だけを書く。相手の書き方には触れない
- 1文か2文で終える。長い説明は言い訳に見える
- 続きがある場合は、動画の該当箇所か自社サイトの1か所だけを案内する
- 返信は1回で止める。相手が返してきても、もう返さない
例として1文にすると「こちらの制度は現在もご利用いただけます。条件は動画の後半で説明しています。」くらいの長さです。相手を納得させる文章ではありません。あとから同じコメント欄を読む人に向けた文章です。宛先を間違えると長くなります。
返信する人も先に決めてください。企業アカウントから出た言葉は、書いた個人の言葉ではなく会社の言葉として読まれます。誰が書くか、誰が目を通すかを決めていないと、勢いで書いた1行が残ります。
そして、訂正が3件を超えたら返信をやめてください。同じ趣旨が何度も来ている状態は、もう1件ずつの話ではありません。次の段に上げるタイミングです。
荒れたときに押すのは「オフ」ではなく「一時停止」です
続けて来るときの話に移ります。ここが記事の芯です。
一時停止は、新規のコメントだけを受け付けなくする状態です。これまでに付いていたコメントは公開されたまま残ります。オフは投稿と表示の両方を無効にする状態で、これまでのコメントも視聴者の画面から見えなくなります。名前が似ているので同じものだと思われがちですが、結果が違います。

一時停止は、動画ごとの設定としてオンとオフと並んで選べます。チャンネル単位の設定とは、そこが違います。チャンネル全体を一度に一時停止できるかは確認できていないので、荒れている1本を特定して押す形になります。
荒れている日にこの違いを知らないと、判断を誤ります。オフを押すと、荒らしと一緒に、擁護してくれた人のコメントも、普通の質問も、何年も前の「参考になりました」も、まとめて消えます。手を打ったつもりで、外から見れば都合の悪いものを全部消した会社になります。
一時停止なら、火だけ止めて会話は残ります。新しい書き込みが入らないので社内で文面を検討する時間が作れて、収まったら戻せます。オフは状態を消す操作で、一時停止は時間を稼ぐ操作です。企業が必要としているのは後者です。
オフも削除ではないので、オンに戻せば表示は戻ります。それでも、消えたことは見ていた人に残ります。
画面に一時停止に当たる選択肢が見当たらないときも、オフは押さないでください。すべてのコメントを保留する設定に切り替えれば、新しい書き込みは公開されず、これまでのコメントはそのまま残ります。止めたい結果は同じです。
押す前に決めておくことが3つあります。平時に決めておかないと、当日は決められません。
- 誰が押すか。承認を待つと数時間が過ぎるので、押せる人を名前で決めておく
- 何を見たら押すか。1件のきつい書き込みでは押さない、同じ趣旨が短時間に複数付いたら押す、と数で置く
- いつ戻すか。押した時点で、翌営業日か1週間後かを決めておく
戻す期限を決めないと、止めたまま誰も戻さない形になります。止める判断より、戻す判断のほうが言い出しにくい。だから最初から期限で決めておきます。
権限も片づけてください。誰が押せるかは、チャンネルの権限設定で決まります。個人のアカウントで動いていると、その人が休みの日に誰も押せません。会社名義への切り替えと権限の渡し方は会社のYouTubeチャンネルを会社名義にする方法【権限付与と退職時の引き継ぎ】に書きました。
オフを最後にする理由:消えるのは、視聴者が書いてくれた質問リストです
オフを最後の段に置くのは、消えるものが荒らしのコメントだけではないからです。
コメント欄に書かれるものは、感想だけではありません。質問が混ざります。しかも視聴者自身の言葉で書かれています。社内の用語ではなく、お客さんが実際に使う言い回しで届く。それは次の動画のタイトルにも概要欄にも、そのまま使えます。
次に撮るテーマも拾えます。同じ質問が3本の動画に付いていたら、1本にする価値があります。企画会議で悩んで決めたテーマより、視聴者が自分から3回聞いてきたテーマのほうが、需要がある論点です。
営業にも返せます。コメントで繰り返し聞かれることは、商談で聞かれることと重なります。コメント欄は、自社の説明がどこで足りていないかを教えてくれる場所です。指標として読む話はインフルエンサーマーケの効果測定は再生数ではない。見るべきは保存数とコメント数にも書きました。
つまりオフは、荒らしを消す操作というより、この質問リストを閉じる操作です。だから最後に置きます。
次に来る前に決めておく:絞り方には6つの段があります
ここまでが、来てしまった日の話です。以下は、次に来る前に決めておく設定です。3段で足りなくなるのは、同じことが何度も起きるチャンネルだけなので、先に読む必要はありません。
①から⑥へ並べます。並び方に注意が1つあります。止まる量が増える順に並んでいるのは①②⑤⑥で、③と④は強さの軸には乗りません。③は通す側のリスト、④は先ほど書いた非表示にするユーザーで、どちらも①②と組み合わせて使う道具です。手間の重さも順番どおりではありません。①は強くするほど毎日の作業が増え、②と④は最初の1回で済みます。
効く範囲も違います。①はチャンネルの既定として決めるので、これから出す動画に効きます。②③④はチャンネル単位で、すでに公開してある動画にも効きます。⑤は動画ごとに選びます。
表の左列を追うと分かります。①を触らないまま⑥だけを検討すると、あいだの4つを使わずに決めることになります。ここで冒頭の3つの案を思い出してください。「消す」「言い返す」「閉じる」のうち、この6段に載っているのは「閉じる」=⑥だけです。消すのは段ではなく1件ごとの操作で、言い返すのは段の外にあります。強さの違うものを横一列に並べていたから決まらなかった、ということです。
保留の強さは、いちばん弱いところから試してください
①は、公開する前に保留するかどうかの強さです。4段あって、保留しない、不適切そうなものだけを保留する、もっと広く保留する、すべてを保留する、の順に公開されない量が増えます。

画面のラベルは環境によって違うので、この記事では挙動で書いています。保留は削除ではなく、管理画面に溜めて人が通すか消すかを決める形です。最初からすべてを保留にすると当番の負担が跳ねるので、いちばん弱い設定から試してください。
ここで決まるのは作業量です。強い段に寄せるほど自動で止まる量は増えますが、止まった分は誰かが目で見て通します。当番を決めずに強い設定だけ入れると、保留の山が放置され、外からはコメントが付かないチャンネルに見えます。設定と当番は同じ日に決めてください。
ブロックする単語は、チャンネル単位で効きます
②のブロックする単語は、動画ごとではなくチャンネル単位の設定です。ここが企業にとって大きい。一度登録すれば、これから出す動画にも過去に出した動画にも効きます。

ただし効くのはこれから書き込まれるコメントで、すでに公開されているコメントには遡りません。一致したコメントはすぐ消えるのではなく、確認待ちとして保留されます。保留は無期限ではないので、溜めたままにしないでください。登録は強い手段に見えて、実際には「目視に回す」設定です。自社名の誤用、競合を煽る言葉、社内で過去に問題になった言い回しを入れておけば、そこだけ人の目を通せます。
同じ場所に、リンクを止める設定もあります。URLを含むコメントが自動で保留になるので、スパムはここで止まります。ただしチャンネルの管理者、モデレーター、承認済みユーザーが投稿したリンクは対象外です。これは権限に紐づくので、担当者が私用のアカウントから自社の動画を案内すると保留されます。案内を書くアカウントは、先に承認済みユーザーへ入れておいてください。
承認済みユーザーは、ブロックする単語より先に通ります
③の承認済みユーザーは、②の逆向きの設定です。この人のコメントは常に承認すると決めておくと、今後のコメントは自動で公開され、ブロックする単語の対象からも外れます。ブロックする単語と承認済みユーザーは、同時に使えます。止めるリストと通すリストを両方持てる設計です。強めの単語リストを入れても、常連や自社の担当者のコメントは止まりません。
④の非表示にするユーザーは、記事の前半で書いたとおりです。相手に通知は行かず、以後そのアカウントのコメントが他の視聴者に表示されなくなります。荒れる前でも、荒れたあとでも、同じ場所で入れられます。
既定の設定は、これから出す動画にしか効きません
「設定を変えたのに閉じていない」という状態の正体が、これです。
チャンネルの既定のコメント設定は、これから投稿する動画と投稿に適用されます。すでに公開してある動画には影響しません。画面では保存されているので、変えたつもりのまま数か月が過ぎ、過去の動画のコメント欄だけが前の設定のまま開いています。
ただし、いま荒れている1本については、その動画の編集画面から直接変えられます。動画の詳細を開くと、コメントをオンにするか一時停止するかオフにするかを選ぶ欄の隣に、保留の強さを選ぶ欄が並んでいます。既定が遡らないのは「これから出す動画に自動で入る初期値」の話で、個別の動画はいつでも開いて変えられる、ということです。攻撃が1本に集中しているなら、既定を触るよりその動画を開くほうが早く効きます。
混乱が起きるのは、同じ管理画面に遡るものと遡らないものが混ざっているからです。
・既定のコメント設定 … これから出す動画にだけ効く
・ブロックする単語、リンクの保留 … チャンネル単位なので、既に公開した動画にも効く。ただし効くのはこれから書き込まれるコメントで、すでに公開されているコメントには遡らない
・非表示にしたユーザー … チャンネル単位で効く。すでに投稿済みのコメントまで遡って隠れるかは案内を見つけられていないので、自分の画面で確かめる
この違いを知っていると、打ち手が変わります。アンチが特定の1本に集まっているなら、その動画の設定を個別に絞れば済みます。既定を動かす必要はありません。逆に、どの動画にも同じ言葉で書き込まれているなら、既定ではなくブロックする単語を使います。1回の登録でチャンネル全体に効きます。
だから確認の順番はこうなります。まず既定の設定を決める。次に、既に公開してある動画を確かめる。全部を1本ずつ見る必要はありません。再生の多い順に上位10本と、直近の数本から見てください。ただしこれは今日やる範囲で、全体の対応ではありません。残りをいつまでに確認するかも、同じ日に決めておいてください。保存されているのに機能が効いていない形は、ほかの場所でも起きます。近い例はYouTubeの概要欄のURLが押せない原因【上級者向け機能をON】に書きました。
閉じた覚えがないのにコメントが無い場合は、視聴者層の設定を見てください
逆のパターンもあります。アンチどころか、コメントが1件も付かない。再生はされているのに、反応だけがない。
真っ先に見るのは視聴者層の設定です。動画やチャンネルを「子ども向け」に設定すると、コメントは無効になります。設定した本人はコメントの話だと思っていないので、原因に浮かびません。
止まるのはコメントだけではありません。子ども向けとして扱われた動画では、通知、再生リストへの保存と後で見る、カードと終了画面、チャンネルメンバーシップ、Super Chat、パーソナライズド広告なども無効です。子ども向けのチャンネルでは、投稿のタブが視聴者に表示されません。
企業にとって痛いのは、実はコメント以外の2つです。カードと終了画面が効かないと、動画から自社サイトや次の動画へ送る導線が消えます。新着の通知が飛ばないので、登録者に知らせる手段が1つ減ります。反応が無いチャンネルに見えて、実際は知らせが届いていないだけ、ということが起きます。
この設定は法令対応です。背景は2019年のFTCとの和解で、子ども向けコンテンツのデータの扱いが制限され、紐づく機能がまとめて無効になりました。「コメントだけ戻す」抜け道はありません。
では企業はどうするか。おもちゃ、食品、教育、キャラクター、ファミリー向けを扱う会社は、アップロードのたびに視聴者層の欄を見てください。子ども向けでないなら、そう設定します。なお、チャンネル単位と動画単位のどちらが優先するかは、公式の案内を見つけられていません。チャンネルと動画の両方を自分の画面で確認してください。
『いやいや、うちは一度アンチが付いたら取引先に見られて終わりなんです』→ だから閉じるのではなく、いちばん強い保留に寄せてください
そう思われたはずです。うちの業界は厳しい、コメント欄に1行書かれただけで取引先から電話が来る、だから今すぐ閉じておきたい、と。前提は否定しません。そのうえで3つ書きます。
1つ目。オフにすれば自社のコメント欄には書き込めなくなりますが、止まるのは自社の画面の中だけです。言いたい人は別の場所に書きます。しかも先に閉じておくと、何を言われているかを自社で拾う手段まで一緒に捨てることになります。怖いのが「書かれること」なら、閉じるより①と②を備えてください。公開される前に人の目を通せます。
2つ目。コメント欄を閉じても、外は止まりません。動画そのものが問題なら、話はSNSやまとめ記事で広がります。コメント欄は火元のひとつで、火の全部ではありません。閉じて安心するのは自社の画面の中だけです。
3つ目。閉じっぱなしにすると、予兆を自分で読めなくなります。開いていれば、書き込みが社内に届く。閉じていると、最初に気づくのが社外の誰かになります。
そのうえで言い切ります。1行が致命傷になる会社ほど、オフではなく、いちばん強い保留に寄せてください。全件を保留にすれば、新しく書き込まれた内容は公開されないまま自社に届きます。ただしオフと同じにはなりません。すでに公開されているコメントは残るので、そこは別に確認が必要です。承認済みユーザーのコメントは保留を通らずに出るので、寄せる前に③のリストを見直してください。もう1つあります。①はチャンネルの既定なので、強くしてもすでに公開してある動画には効きません。強い保留に寄せるなら、既存の動画にも同じ設定を入れるところまでが1セットです。
代わりに毎日の当番が要ります。引き受けられるかが分かれ目です。引き受けられないなら、無理をせず②と④で運用するほうが続きます。
視聴者が書き込める欄は、自分でオンにしない限り生えません
コメント欄のほかに、視聴者が書き込める場所があるのではないか。アンチが来た会社ほど、ここを心配されます。
整理します。チャンネルには以前から「投稿」の欄があり、これは運営側だけが書き込む欄です。それとは別に「コミュニティ」という欄があり、こちらは視聴者が自分で投稿できます。名前が近いので混ざりますが、別の機能です。
コミュニティは、自分でオンにしない限り有効になりません。既定では有効になっておらず、オンにする操作が必要です。だから今日の心配には入りません。
オンにする場合は絞る道具が揃っています。投稿できるのは登録者だけで、登録からの最低日数を1日か1週間で指定できます。公開前に全件を保留する設定も選べます。視聴者の投稿はコミュニティ内に閉じていて、一般のフィードには流れません。そしてコメント用に登録したブロックする単語とリンクの設定は、コミュニティの投稿にも効きます。
判断の軸は1つです。週に1回、承認の時間を持てるならオンにしてよく、持てないならやめてください。オフに戻したときに既存の投稿がどう扱われるかは公式の案内を見つけられていないので、オンにする前にテスト用の投稿で自分の画面を確かめてください。
アンチが来た日の手順:15分で5つ片づける
入口は3か所あります。
1つは、コメントを読んで返信する場所です。YouTube Studioの左メニューの「コミュニティ」で、保留されたコメントは「保留中」に溜まります。2つ目は、チャンネル全体の既定やブロックする単語を決める場所で、「設定」の中にある管理用のタブです。このタブは呼び名が割れていて、表記は環境によって違います。名前で探さず、コメントとブロックする単語がまとまっている画面を探してください。3つ目は、動画ごとの設定です。左メニューの「コンテンツ」から対象の動画を開いて編集します。一時停止は動画ごとの設定なので、押すときはここに入ります。
では順番に片づけます。
- 来ているコメントを数える。1件か、同じ趣旨が複数か。ここで押す段が決まる
- 1件なら、その人を非表示にするユーザーに入れる。ポリシーに反していれば報告も出す
- 事実の誤りが含まれているかを見る。含まれていれば1文で訂正し、それ以外には返さない
- 同じ趣旨が短時間に複数付いているなら、その動画のコメントを一時停止する。同時に戻す日を決める
- 押す人と押す基準と戻す期限を、その場で1枚に書き残す。次の日に別の人が判断できる形にする
ここまでが15分です。重いのは手順3と手順5です。オフはこの手順に入っていません。5つを回してもまだ収まらないときに、初めて検討する段です。
15分のあとに宿題が2つ残ります。1つは、ブロックする単語の登録です。今回書かれた言葉のうち、また来そうなものを数語だけ入れてください。チャンネル単位なので、過去の動画にこれから付くコメントにも効きます。もう1つは、既に公開してある動画のコメント設定の確認です。既定を変えても過去の動画には効かないので、ここを見ないと「閉じたつもり」が残ります。再生の多い順に上位10本と、直近の数本から始めて、残りをいつまでに見るかを決めてください。
手順5は文章にして残してください。口約束だと、押す人が休みの日に止まります。誰が押すか、何件で押すか、いつ見直すか。この3行で当日の初動が変わります。
確かめきれていないことを3つ書いておきます
断定しなかったところを並べます。確かめ方も書きます。
1つ目は、コメントを削除したときに相手へ通知が行くかです。非表示にしたことは本人に通知されないと案内されていますが、削除についての同じ記述は見つけられていません。気にする場面なら、削除ではなく非表示を選んでください。非表示のほうは通知されないと確認できています。
2つ目は、一時停止の範囲です。動画ごとに選べるのは確認できましたが、チャンネル全体を一度に止められるかは案内が見つかりません。確かめ方はこうです。既定の設定の画面に並ぶのは保留の強さで、動画ごとの設定に並ぶのがコメントのオンと一時停止とオフです。既定の画面を開いて、保留の強さ以外の選択肢があるかを見てください。無ければ、止めるときは荒れている動画を開いて1本ずつ、ということになります。
3つ目は、保留の期限です。一致したコメントは最大60日間保留されると案内されていますが、期限を過ぎた分が消えるのか公開されるのかは、公式の案内を見つけられていません。溜める前に処理していれば、この疑問は自社では起きません。強い保留に寄せているなら毎日、②と④が中心なら月に一度で足ります。
例外:この話が向かない会社もあります
4つあります。
1つ目は、いま不祥事の渦中にある会社です。この段階なら、3段を飛ばして一時停止で構いません。ただし期限を決めてください。落ち着いたら戻す、ではなく日付で。
2つ目は、誤った情報が書き込まれると実害が出る業種です。医療、金融、法律あたりですね。ここはいちばん強い保留に寄せて、通すのは質問だけにするのが合います。コメント欄は残っているのに、これから公開される分は自社が確認したものだけになります。ただし既定を変えるだけでは効かないので、既存の動画にも同じ設定を入れるところまでが1セットです。
3つ目は、担当が1人しかいない会社です。その人が長期の出張や休みに入ると、保留の山だけが残ります。承認が止まれば、外からはコメントが付かないチャンネルに見えます。強い保留を常用せず、非表示とブロックする単語で運用して、荒れたときだけ一時停止に切り替えてください。
4つ目は、子ども向けのチャンネルです。そもそもコメントが無効なので、この記事の判断は関係ありません。動画で導線を作れないぶん、概要欄と自社サイト側で受けてください。
逆にいちばん効くのは、検討の期間が長い商材を扱っていて、営業が毎回同じ説明をしている会社です。コメントに付く質問が、そのまま次の動画のテーマになります。アンチが1件付いたからといって閉じてしまうと、この入口も一緒に閉じます。コメントが付かないうちでも動画は営業の現場で働きます。その考え方はYouTubeで営業する。動画は商談の前後で自分から手渡すに書きました。
僕たちCVOは、YouTube運用、インフルエンサーマーケティング、動画編集者育成の3つを手がけています。チャンネルの設計から制作まで一緒に組めます。お問い合わせからどうぞ。
もっと知りたい方へ:設定まわりの話を順に書いてきました
まとめ:1件なら非表示、続くなら一時停止、オフは最後です
アンチのコメントが来たときに押す順番は3段です。1件だけなら、その人を非表示にするユーザーに入れる。相手に通知は行きません。続けて来るなら、その動画のコメントを一時停止する。新規だけが止まって、これまでのコメントは残ります。オフは最後です。これまでのコメントも視聴者の画面から見えなくなり、擁護も質問も一緒に消えます。
1件のときの選択肢は3つでした。非表示にする、ポリシー違反なら報告する、何もしない。3つ目がいちばん選ばれませんが、多くの場合これが正解です。対処するのは、ポリシーに反しているもの、事実が間違っているもの、繰り返し来ているものだけで足ります。
返信の線引きも決めておいてください。事実の誤りだけ短く訂正して、感情には返さない。訂正は相手に向けた文章ではなく、あとから同じコメント欄を読む人に向けた文章です。返信は1回で止めます。
次に来る前に決めるのは、6つの段のどこに置くかです。保留の強さ、ブロックする単語とリンク、承認済みユーザー、非表示にするユーザー、一時停止、オフ。既定のコメント設定はこれから出す動画にしか効かないので、過去の動画は別で確かめてください。逆にコメントが1件も付かない場合は、視聴者層が子ども向けになっていないかを最初に見てください。
今日やることを1つだけ指定します。荒れている動画を開いて、一時停止がどこにあるかを見てください。押さなくて構いません。場所を知っているかどうかで、その日の初動が変わります。
最後にもう一度書きます。落ち込まないでください。
ここまで設定の話を長々と書いてきましたが、いちばん大事なのはそこではありません。企業のYouTubeでいちばんきついのは、叩かれることではなく、何も反応が無いことです。コメントが荒れるのは、少なくとも誰かが時間を使って見て、わざわざ手を動かしたということです。無風のチャンネルには、擁護も質問も、次の動画のネタも届きません。
だから気にせず続けてください。押す順番はもう決まりました。あとは出し続けるだけです。
よくある質問
関連記事
お問い合わせ
動画制作・YouTube運用に関するご相談は、以下のフォームからどうぞ。
