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YouTubeライブの練習モードの使い方【使えるのはスマホだけ】
広報担当者
『会社のYouTubeでライブ配信をやろうという話になりました。ただ、失敗したところが全部そのまま流れるのが怖くて踏み切れません。練習できる機能があると聞いたのですが…』
こういった疑問に答えます。
本記事では、会社のチャンネルでライブ配信を考えていて、本番でつまずくのが不安な広報・マーケティングのご担当者と経営者に向けて書いています。
先に結論を出します。練習できる機能はあります。ただし条件があって、会社のやり方によっては使えません。練習モードは、スマートフォンのアプリから配信する人のための機能です。会社のパソコンから配信するなら、この機能は出てきません。スマートフォンからの配信には登録者50人以上という条件があり、練習モードもこの条件に含まれると考えられます。
この記事の要点
- 練習モードはスマホのアプリ配信だけ。登録者50人の条件もある
- パソコンはプレビューと非公開・限定公開のテスト配信で試す
- 練習で分かったことは、引き継ぎメモにして社内に残す
結論:練習モードは1人用。会社の配信はテスト配信のほうが本番に近い
最初に全体像を置きます。本番前に試す方法は2つあります。
① スマートフォンのアプリにある「練習モード」を使う
② パソコンから「非公開」か「限定公開」でテスト配信をする
①は比較的新しい機能で、YouTubeヘルプには、すべてのクリエイターに向けて段階的に展開されていると書かれています。視聴者のいない非公開の場で、カメラの向きや話し方を試せます。手軽で、そのまま本番に移れます。
ただ、企業の配信でよくある形を思い出してください。登壇者が2人いて、スライドを画面に映して、別の担当者がチャットを見る。このうち、スライドを映す、複数のカメラを切り替える、見る側の音を聞く、の3つは練習モードでは確かめられません。
つまり、どちらが優れているかではなく、何を確かめたいかで分かれます。この記事では、練習モードの中身と条件を先に押さえたうえで、会社として練習するならどちらを選ぶかの基準まで書きます。
練習モードはどこにあって、何ができるのか
YouTubeヘルプの「モバイルでライブ ストリームを作成する」に案内があります。視聴者のいない非公開の場でリハーサルをして、配信の設定・内容・話し方を試せる機能です。ヘルプの中でも呼び方は2つあり、機能の名前は「ライブ配信リハーサル モード」、手順で押すボタンは「練習モード」と書かれています。
開き方は3手です
- スマートフォンのYouTubeアプリを開く
- 下の [作成] から [ライブ配信を開始] を選ぶ
- [次へ] のボタンの下にある [練習モード] を選ぶ
ボタンの名前はヘルプ上の表記です。実際の画面の表記は、端末やアプリの版で違うことがあります。選んだ時点で、視聴者がいない状態の配信画面に入ります。普段の配信と同じ画面なので、ボタンの位置を覚えるところから練習できます。
終わり方と、本番への移り方
ここが大事なところです。練習を終えるときは、画面の [×] を押します。
一方、そのまま本番に入りたいときは、画面の右上にある [ライブ配信を開始] を押します。練習の画面から直接、視聴者に向けた配信が始まります。
リハーサルを別の場所でやり直す必要がないので、流れとしてはよくできています。ただし会社で使うときは、この作りがそのまま事故のもとになります。後ろの章で詳しく書きます。
表示されないアカウントがあります
ヘルプには、段階的に展開されているという書き方がされています。条件を満たしていても、まだ練習モードが出てこないアカウントがあります。
社内で「自分の画面には出ない」が起きたら、先に条件を確かめてください。登録者が50人に届いているか、チャンネルの確認が済んでいるか、ライブ配信を有効にしてから時間がたっているか、の3つです。どれも満たしているなら、アプリを最新版にしてから、もう一度 [作成] を開きます。それでも出ない場合は、展開を待つことになります。その間は、後ろで説明するパソコンからのテスト配信で代わりにできます。
落とし穴。スマホ配信には、先に登録者50人が要ります
ここが日本語の解説記事でほとんど書かれていないところです。
練習モードは、モバイルのライブ配信の中にある機能です。そしてYouTubeヘルプのモバイル配信の利用条件には、「チャンネル登録者数が 50 人以上である」と書かれています。練習モードもモバイル配信の一部なので、50人未満のチャンネルでは使えないと考えられます。
ここで何が起きるか。立ち上げたばかりの会社のチャンネルは、まず50人に届いていません。練習がいちばん必要なのは、登録者がまだ50人に届いていないチャンネルです。その層は、練習モードを使えないと考えられます。
『いやいや、50人くらいすぐでしょ』と思うかもしれません。社員と取引先に声をかければ届く数ではあります。ただ、ライブ配信をやると決めてから50人を集めるまで待つのは、順番として逆です。先に配信の中身を固めるべきです。
50人を超えても、もう1つ知っておくことがあります。登録者1,000人未満のチャンネルでは、スマートフォンからの配信は視聴者数が制限されることがあり、終わった後のアーカイブも既定で非公開になります。本番もスマートフォンで配信するつもりなら、ここも計算に入れてください。
パソコンからの配信に、登録者数の条件は書かれていません
そこで押さえておきたいのが、配信のやり方による違いです。ヘルプで登録者数の条件が示されているのは、スマートフォンからの配信だけです。
① スマートフォンのアプリからの配信 — 登録者50人以上が必要
② パソコンのウェブカメラからの配信 — 登録者数の条件は書かれていない
③ 配信ソフトを使った配信 — 登録者数の条件は書かれていない
③はOBSなどのソフトをパソコンに入れて配信する方法です。スライドを映したり、複数のカメラを切り替えたりできます。
登録者が少ない会社のチャンネルでも、②と③は、ヘルプ上は登録者数を待つ必要が書かれていません。そもそも資料を映すなら、パソコンからの配信になります。練習モードが使えなくても、詰みません。
初回は、有効にしてから使えるまで待ち時間があります
もう1つ、スケジュールを組むときに効いてくる話です。
ライブ配信を使うには、電話番号によるチャンネルの確認を済ませる必要があります。そして初めて有効にしたときは、実際に配信できるようになるまで最大24時間かかることがあります。
つまり、配信の当日に準備を始めると間に合いません。やることは1つだけです。配信日が決まったら、その日のうちに有効化だけ先に済ませてください。ヘルプでは最大24時間とされているので、前日までに済ませておけば当日に慌てずにすみます。
過去90日以内にライブ配信の制限を受けている場合も配信できません。他の人が運用していたチャンネルを引き継いだときは、ここも先に確認しておくと安全です。チャンネルの持ち主と権限を整理する話は会社のYouTubeチャンネルを会社名義にする方法で詳しく書きました。
会社で練習するなら、パソコンのテスト配信のほうが近い
練習モードが使えるアカウントでも、会社の配信ではこちらを勧める場面が多いです。理由は単純で、本番と同じ構成を試せるからです。
まず、パソコンからの配信にも本番前の確認の段階があります。YouTubeヘルプの「エンコーダ配信を作成する」では、ライブ管理画面でプレビューが表示されるまで待ってから [ライブ配信を開始] を押す手順になっています。映像と音声が入っているかは、ここで確かめられます。ただ、見る側でどう聞こえるか、どれだけ遅れて届くかは、この画面だけでは分かりません。
そこでテスト配信です。公開範囲は、確かめる人数で選びます。
① 非公開 — 担当者1人が、別の端末から受信して確かめるとき
② 限定公開 — 社内の数人に見てもらい、本番と同じ流れを通すとき
限定公開は、URLを知っている人だけが見られる状態です。通常は検索にも、チャンネルの動画一覧にも出ません。ただし、URLを受け取った人は、さらに別の人へ渡せます。社外に出せない資料や話は、テスト配信に使わないでください。
テスト配信で確かめられることは、練習モードより多くなります。
① 別の端末から見たときの音量と画質
② スライドを映したときに文字が読めるか
③ チャットに書き込んだときの見え方と遅れ
④ 2人で話したときに声がかぶらないか
⑤ 回線が落ちたときに配信がどうなるか
①は特に大事です。配信する側のパソコンでは音が普通に聞こえていても、見る側では小さすぎる、ということが起きます。自分の画面だけ見ていても分かりません。
テストが終わったら、後始末までやってください。テスト配信が終わると、アーカイブがチャンネルに残ることがあります。限定公開のままだと、URLを知っている人はいつでも見られます。終わったら非公開に切り替えるか、削除しておきます。
選び分けの基準はこれです
どちらを使うかで迷ったら、次の表のとおりに選んでください。
表のとおり、会社の配信はパソコンのテスト配信に寄ります。練習モードがいちばん向いているのは、社長が1人でスマートフォンに向かって話す形です。それはそれで価値のある形なので、当てはまるなら迷わず使ってください。
練習と本番の境目はボタン1つ。押す人を先に決める
ここは会社で使うときの注意点です。
さきほど書いたとおり、練習モードの画面から、右上のボタンを押すだけで本番が始まります。練習と本番の境目は、画面の右上のボタン1つです。
1人で運用しているチャンネルなら問題ありません。問題になるのは、機材を触る担当と話す担当が分かれているときです。練習のつもりで画面を触っていた人が、ボタンを押してしまう。これは起こりえます。
そこで、配信の前に2つだけ決めてください。
① 本番のボタンを押す人を1人に決める。他の人は端末に触らない
② 練習中は、本番用のタイトルと説明文を入れておかない
②の理由は、押してしまったときの被害を小さくするためです。練習中のタイトルを「テスト」のままにしておけば、仮に配信が始まっても、見た人が本番だと誤解する可能性は下がります。
僕たちも、YouTube Studioを開いたら初期表示が別のチャンネルになっていた、という経験があります。管理画面の事故は、注意していても起きます。だから注意ではなく、手順で防ぐほうが確実です。
練習で分かったことは、メモにしないと残りません
ここがこの記事でいちばん持ち帰ってほしいところです。
練習モードは、視聴者のいない非公開の場です。練習の様子が動画として残るかどうかは、ヘルプに書かれていません。仮に残っていたとしても、気づいたことは担当者の頭の中にしかありません。次に配信するのが3ヶ月後だったら、担当者は同じことをもう一度ゼロから試すことになります。
残すべきなのは練習そのものではなく、練習で分かったことを書いたメモです。
だから、練習したらその場で「引き継ぎメモ」を書いてください。次の担当者が迷う場面ごとに、4つに分けておきます。社内の共有フォルダに1枚あれば十分です。
① 始める前に触るもの — マイクと音量のつまみの位置、カメラの高さ、使った回線、切っておく通知
② 映ってはいけないもの — 背景の掲示物、画面共有で出るファイル名や通知
③ 誰が何をするか — 本番のボタンを押す人、チャットを見る人、話す順番と締めの一言
④ 終わった後にやること — アーカイブの公開範囲、タイトルの直し方、テスト配信の後始末
これを作ると、2回目以降の準備がずっと短くなります。僕たちが見てきた範囲では、企業のYouTubeが続かない理由は、やる気より毎回ゼロから思い出す手間のほうが大きいです。同じ話を企業のYouTubeが続かない理由でも書きました。
①と②に入れた通知の話を、具体的に書いておきます。配信中にスマートフォンへ通知が来ると、音が乗ります。画面を共有していれば、通知の中身も映ります。取引先や社内の名前が出ることもあるので、通知は全部切ってください。
ライブの本当の価値は、終わった後のアーカイブです
ここまで練習の話をしてきましたが、企業がライブ配信をやる理由そのものにも触れておきます。
ライブは、その場の視聴者数で見ると少なく見えます。平日の昼に配信して、同時に見ている人が5人だった、ということは普通に起きます。それで落ち込む必要はありません。
ただ、ライブは配信が終わると、通常はアーカイブとしてチャンネルに残ります。1時間しゃべった内容が、そのまま1本の動画になります。登録者1,000人未満のチャンネルがスマートフォンから配信した場合は、アーカイブが既定で非公開になるので、公開範囲を確かめてから使ってください。質疑応答まで入っているので、よくある質問がどこで出たかもそのまま残ります。
つまり、ライブ配信は撮影の一形態でもあります。台本を作り込んでから撮るより、お客さんの質問に答えながら話すほうが、結果として中身の濃い動画になることがあります。
残したアーカイブをどう使うかは、別の記事で書いています。
アーカイブを残すなら、配信中に1つだけ意識してください。「この質問、よく聞かれるんですけど」と前置きしてから答えることです。後で切り出して1本の動画にするときに、そこが頭出しの位置になります。
初めての配信までの段取りを、そのまま書きます
ここまでを順番にします。来月ライブをやると決めた会社が、何をいつやるかです。
① 配信日を決めたその日に、ライブ配信を有効にする(待ち時間があるため)
② 本番のボタンを押す人と、チャットを見る人を決める
③ 本番の1週間前に、非公開か限定公開で通しのテスト配信をする
④ 別の端末で受信して、音量・画質・スライドの文字を確認する
⑤ 気づいたことを引き継ぎメモに書く
⑥ テスト配信のアーカイブを非公開にするか、削除する
⑦ 本番の30分前に、ライブ管理画面のプレビューで映像と音声をもう一度確認する
⑧ 配信後、アーカイブの公開範囲を確かめ、タイトルと説明文を本番用に書き直す
⑧は忘れやすい手順です。配信中のタイトルは告知用になっていることが多いので、終わった後は検索で見つけてもらう言葉に直してください。スマートフォンで配信した登録者1,000人未満のチャンネルでは、アーカイブが既定で非公開になっている点も確かめます。そこから先は、通常の動画と同じ扱いでかまいません。
社長1人がスマートフォンで話す形なら、③と⑥は練習モードに置き換えられ、⑦は使いません。ただし④の見る側の音量だけは練習モードでは分からないので、初回は非公開のテスト配信で一度確かめておくと安心です。①②⑤⑧は残ります。
僕たちができること
僕たちは、再生回数を伸ばすためだけの動画は作りません。商談の前に送れる、採用候補者に見せられる、問い合わせの返事に添えられる。そういう形で何度も使える動画を、企業の資料として残すところまで設計します。
ライブ配信を考えるときも、同じ順番で考えます。終わった後のアーカイブを営業や採用でどう使うかを先に決めておくと、配信で何を話すかも決めやすくなります。ご依頼をいただいた場合は、毎月一緒に本数と内容を決めていく形です。
派手な演出よりも、内容が伝わることと、1年後も使えることを優先します。
まとめ:練習は非公開でできる。あとは残し方だけ決めてください
最後に整理します。
① 練習モードはスマートフォンのアプリからの配信だけで使える
② スマホ配信には登録者50人以上が要る。1,000人未満は視聴者数の制限がある
③ パソコンはライブ管理画面のプレビューと、非公開・限定公開のテスト配信で確かめる
④ 練習と本番の境目はボタン1つ。押す人を先に1人に決める
⑤ 練習で分かったことは、引き継ぎメモにして社内に残す
ライブ配信をやらない理由としていちばん多いのが「失敗が全部残るから」です。その不安は、練習モードとテスト配信で事前に減らせます。残るのは、やるかどうかだけです。
今日できることを1つだけ挙げます。スマートフォンのYouTubeアプリを開いて、[作成] から [ライブ配信を開始] を押してみてください。[練習モード] が出るかどうかで、1人で手軽に試せる方法があるかどうかが分かります。スライドを映す、2人以上で話すなら、出ても出なくてもパソコンのテスト配信を1回入れてください。それだけ分かれば、今日の確認は終わりです。
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