BLOG
YouTubeの再生リストを送っても相手が見られない原因【公開設定は2か所】
営業担当者
『商談の後に、説明動画を3本まとめた再生リストのURLを送りました。自分の画面では普通に見られるのに、先方から「開けません」と返ってきました…』
こういった疑問に答えます。
本記事では、自社の動画を何本かまとめて社外へ送る営業・広報のご担当者に向けて書いています。再生リストの作り方ではなく、送ったあとに起きたことを直す話です。
先に結論を出します。確認するのは2か所です。再生リストの公開設定と、その中に入っている動画1本ごとの公開設定は別物です。リストのURLを送ることは、中の動画を見る許可にはなりません。
この問題を扱った記事をいくつも読みましたが、ほとんどが「リストが非公開になっていませんか」で終わっています。あとはキャッシュの削除、ブラウザの再起動、拡張機能の無効化です。それは相手側の端末を疑う話で、送った側が直せることではありません。
送る側がやるべきなのは、キャッシュの削除ではなく、2か所の公開設定の確認です。
この記事の要点
- 見るのはリストの公開設定と、動画1本ごとの公開設定
- 非公開の動画は、URLを送っても相手に見せられない
- 送る前に、ログアウトした別のブラウザで開く
結論:公開設定は2階建てになっています
いちばん大事なところを先に書きます。
再生リストには公開設定があります。そして、中に入っている動画1本1本にも、それぞれ別の公開設定があります。この2つは連動しません。
リストを公開にしても、中の1本が非公開なら、その1本は相手の画面に出てきません。逆に、中の動画が全部公開でも、リストが非公開ならリストそのものが開きません。
公式ヘルプの「再生リストを共有する」には、再生リストに非公開動画が含まれている場合は、まず動画を見せたいユーザーを招待する必要がある、という趣旨の記述があります。つまり、リストのURLを渡す行為は、中の非公開動画を見せる手続きとは別に用意されているわけです。
ここが2階建てになっていることを知らないと、リスト側の設定を何度見ても原因が見つかりません。設定画面は正しいのに相手が見られない、という状態が延々と続きます。
なお、公開・限定公開・非公開の3つがそれぞれ何なのかは、再生リストの作り方を扱った複数のYouTube動画を1本のURLで渡す方法【再生リストを30分で作る】で説明しています。この記事では、3つの違いそのものは繰り返しません。
まず症状を3つに分けてください
原因を探す前に、相手に1つだけ聞いてください。「一覧そのものが開きませんか。それとも一覧は出るのに、一部の動画だけ再生できませんか」です。
ここを分けないまま設定をいじると、関係ない箇所を直して終わります。症状は3つに分かれます。
① 一覧そのものが開かない → リスト側の問題
② 一覧は開くのに、特定の動画だけ再生されない → その動画側の問題
③ 自社サイトに埋め込んだときだけ出ない → 埋め込みの許可か年齢制限の問題
①と②は見る場所が完全に違います。③はさらに別の設定です。以下、順番に見ていきます。
症状A:一覧そのものが開かない。リスト側が非公開のままです
相手が一覧にたどり着けていない場合は、リストの公開設定が非公開のままです。
非公開の再生リストは、自分と、自分が指定した相手だけが参照できる状態です。URLを知っていても、指定されていない人は開けません。社外の相手に見せるつもりなら、少なくとも限定公開にする必要があります。
直す場所
ヘルプで案内されている流れは、YouTube Studioにログインして、左のメニューから「コンテンツ」を開き、「再生リスト」のタブへ移動します。該当の再生リストの詳細を開くと、公開設定をプルダウンで選ぶ欄があります。選び直したら保存します。
ただし、ここの項目名は日本語の画面と案内の表記が一致していないことがあります。実際に僕たちも、ヘルプに載っている名前で画面を探して見つからなかったことがあります。メニューの文字を一字一句探すのではなく、「コンテンツ」から再生リストの一覧に入って、該当リストの詳細を開く、という流れで見てください。
もう1つ注意点があります。ヘルプには、この機能がYouTubeの管理対象のアカウントでは利用できない場合があるという注記が付いています。会社で配られたアカウントを使っていて設定欄が見つからない場合は、アカウントの種類まで疑ってください。自分の操作が悪いわけではない可能性があります。
限定公開と公開のどちらを選ぶか
ここで判断が1つ入ります。
限定公開は、URLを知っている人が見られる状態です。Googleアカウントは要りません。検索結果やおすすめには出ません。社外の特定の相手に渡すだけなら、これで足ります。
ただし、URLが転送されれば、その先の第三者も見られます。限定公開は「鍵がかかっている」のではなく「住所を知らないと来られない」状態です。相手の社内で回覧されることを前提に考えてください。
誰が見てもいい内容なら公開で構いません。検索やチャンネルページからも入口ができるので、営業資料としては公開のほうが働きます。
症状B:一覧は開くのに1本だけ再生されない。その動画が非公開です
ここが本題です。
リストは開けた。中に3本入っているはずなのに、1本だけ再生できないか、そもそも並んでいない。この場合、その1本の動画の公開設定が非公開になっています。
非公開の動画は、投稿した側が指定したGoogleアカウントでログインしている人だけが視聴できます。リストに入れても、その動画だけは相手に出てきません。公開の再生リストに入れたとしても、他の人の画面には出てこない扱いです。
繰り返しですが、リストのURLを送ることは、中の動画の視聴許可にはなりません。公開設定は動画1本ごとに付いていて、リスト側の設定で上書きされることはありません。
会社でよく起きるのはこういう形です。公開していた説明動画を、内容が古くなったので一時的に非公開にした。でも再生リストからは外していなかった。リストのURLは営業資料にそのまま載っている。これで、送った相手の画面では1本足りない状態になります。
なお、リストの中で見えなくなっている動画がある状態になることがあります。中身が何本あるはずなのか分からなくなるので、自分の管理画面で本数を数えるのではなく、次に書く「ログアウトして踏む」で相手の見え方を直接確認するのが確実です。
どうするか。選べるのは3つです
非公開の動画が入っていたときの打ち手は3つあります。順番に検討してください。
① その動画を限定公開に切り替える。URLを知っている人が見られる状態になるので、リストから普通に再生できます。いちばん手数が少ない方法です。ただし転送されれば第三者も見られるので、社外に出して差し支えない内容かを先に判断します。
② 非公開のまま、相手を招待する。公式ヘルプが案内しているのはこの形です。相手のGoogleアカウントを指定して共有します。相手はそのアカウントでログインしている必要があり、別のアカウントでブラウザを開いていると見られません。相手を1件ずつ指定していく形なので、大人数へ一斉に送る使い方には向きません。
③ 社外用の1本を別に用意する。顧客名や社内の数字が入っていて公開範囲を広げられない動画は、そもそも渡しても使えません。外向けの話し方で撮り直したほうが、資料としての出来も良くなります。
迷ったときの軸は1つです。その動画を送る相手が、今後も1人か2人なのか、これから何十人にも渡るのかで決めてください。前者なら②、後者なら①か③です。
『じゃあ全部公開にすればいいでしょ』への回答
いちばん手っ取り早い解決策に見えますが、これはやらないでください。
非公開にしてある動画には理由があります。顧客名が映っている、価格が入っている、社内向けの話し方になっている、出演した社員が退職した。公開にすれば今日の問題は消えますが、検索とチャンネルページから誰でも入ってこられる状態になります。
送った相手が見られないのを直したいだけなら、必要なのは「全部公開」ではなく「1本ごとの判断」です。3本のうち1本だけ公開範囲を広げればいいなら、残り2本は触らなくていい。この記事で症状を3つに分けているのは、触る範囲を最小にするためです。
社外に出せない動画が混ざっているなら、そのリストは社外向けではありません。社外向けのリストを別に1つ作って、公開できる動画だけを入れてください。リストは何個でも作れます。
症状C:自社サイトに埋め込んだときだけ出ない
自社サイトやサービスページに再生リストを埋め込んでいて、1本だけ表示されずに飛ばされる場合は、また別の設定です。
公式ヘルプの「埋め込んだ再生リストに動画が表示されない」では、理由として3つが挙げられています。
① 一部の動画の埋め込みオプションが、アップロードしたユーザーによって無効にされている
② 年齢制限が設定されている
③ 非公開の動画は、アップロードしたユーザーから共有されたものでない限り、再生リストで再生できない
実務でいちばん効くのは①です。埋め込みの可否は、公開設定とは別の設定です。公開になっている動画でも、埋め込みを許可していなければ外部サイトのプレーヤーでは再生されません。「公開になっているのに自社サイトで出ない」のほとんどがこれです。
②は、年齢制限のある動画がYouTube外の一般的なサイトでは再生されず、視聴者がYouTubeへ飛ばされる場合がある、という挙動です。企業の説明動画に年齢制限が付く場面は限られますが、酒類や一部の商材を扱っていると無関係ではありません。
ヘルプ自体が、埋め込みを有効にしている公開動画だけを再生リストに追加することを勧めています。自社サイトに埋め込む用のリストは、この条件を満たす動画だけで組んでください。商談で個別に送るリストと、サイトに常設するリストは、分けたほうが管理が楽になります。
営業で使っていたURLが、ある時期から開かなくなった会社へ
社歴の長いチャンネルを持っている会社は、ここも見てください。今日の設定ミスではなく、過去の仕様変更が原因になっている場合があります。
2017年1月1日より前にアップロードされた限定公開の動画は、2021年7月23日に非公開へ切り替わりました。所有者が変更を無効にする選択をした場合は対象外です。2017年以降にアップロードされた限定公開のコンテンツは影響を受けていません。
背景には、2017年に入れたセキュリティの更新があります。URLから動画を推測されにくくする仕組みを、それより前の動画にも及ぼすための措置でした。
企業にとって痛いのは、非公開になるとそれまでの共有リンクと埋め込みが使えなくなる点です。昔の提案書やメールのテンプレートに貼ってあるURL、サイトに埋め込んだままのプレーヤー。これが一斉に止まります。もう5年前の話なので、今も気づかずに古いURLを送り続けている会社があります。
念のため書きますが、これは最近のニュースではありません。2021年に起きたことです。それでも触れているのは、古い動画を営業で使い続けている会社ほど、今日の設定を見ても原因が見つからないからです。心当たりがあれば、該当する時期の動画の公開設定を確認してください。
設定は正しいのに見られない、と言われたとき
2か所の公開設定を直して、自分でも見えることを確認した。それでも相手が見られない。この段階まで来たら、原因は相手側にあります。
考えられるのは、別のGoogleアカウントでログインしている、会社のネットワークで制限がかかっている、のどちらかです。
前者は、非公開の動画を招待で共有したときに起きます。招待したのは個人のアドレス、相手がブラウザで開いているのは会社のアカウント。この組み合わせで見られません。相手に、招待したアドレスでログインしているかを確認してもらってください。
後者は制限付きモードです。この設定は端末ごとに有効になります。会社のネットワーク側で有効にされていると、利用者本人では解除できません。
ここで気をつけてほしいことがあります。相手に回線を切り替えてもらったり、別の経路でアクセスしてもらうような案内はしないでください。相手企業の社内規程に反する可能性があります。この段階まで来たら、相手の社内のIT部門に確認してもらうのが正しい着地です。
送る側としては、ここまで来たら動画以外の手段も用意しておくべきです。要点をまとめた資料を添える、口頭で説明する時間をもらう。動画が見られない相手が一定数いることは、前提として織り込んでおいてください。
送る前の30秒。ログアウトした別のブラウザで踏んでください
ここまでが起きてしまった後の話です。次からは、送る前に30秒で防げます。
リストのURLを作ったら、ログアウトした状態の別のブラウザで、そのURLを自分で開いてください。
自分宛てにメールで送って開くだけでは足りません。同じブラウザで開くと自分のアカウントでログインしたままなので、非公開の動画も普通に見えてしまいます。これが「自分の画面では見られるのに」の正体です。
やることは2つです。普段使っていないブラウザを開く、またはシークレットウィンドウを開く。そこにURLを貼って踏む。一覧が出るか、中の動画が全部再生できるかを数えます。
リストに3本入っているはずなら、3本見えているかを数えてください。本数が合わなければ、足りない1本が非公開です。この確認を挟むだけで、この記事に書いた症状のほとんどが送る前に見つかります。
逆の事故も見てください。公開のリストに社外NGの動画が入っていないか
ここまでは「見せたいのに見せられない」話でした。逆の事故にも触れておきます。
限定公開の動画は、URLを知らなければ普通には見つかりません。検索結果やおすすめには出ないからです。ただし、公開の再生リストに入っていると、そのリストから入ってこられる経路ができます。
社内向けの研修動画、特定の顧客向けに作った説明動画、社名が入った打ち合わせの録画。こういう動画を、整理のために公開のリストへ入れてしまっているケースがあります。
今日、自社の公開リストを一度開いて、中身を全部見てください。社外に出すつもりがなかった動画が混ざっていないかの確認です。混ざっていたら、リストから外すか、リスト自体を限定公開か非公開に切り替えます。
退職した社員が出ている動画の扱いについては、別の記事で書いています。
例外:この確認が要らない会社もあります
全部の会社がこの作業をやる必要はありません。
最初から全部公開で運用していて、非公開や限定公開の動画を1本も持っていない会社は、リスト側の公開設定を1回見れば終わりです。症状Bは起きません。
自社サイトに動画を埋め込んでいない会社も、症状Cは関係ありません。商談で個別にURLを送るだけなら、見るのは2か所のうち1か所、動画1本ごとの設定だけです。
つまり、動画の公開範囲を使い分けている会社ほど、この確認が効きます。公開範囲を使い分けるのは正しい運用です。手間が増えるのはその代償なので、送る前の30秒で回収してください。
僕たちができること
僕たちは、再生回数を伸ばすためだけの動画は作りません。商談の前に送れる、採用候補者に見せられる、問い合わせの返事に添えられる。そういう形で何度も使える動画を、企業の資料として残すところまで設計します。
渡し方も同じです。どの動画を公開にして、どれを限定公開に置くか。社外向けのリストと社内向けのリストをどう分けるか。これは撮り終わってから考える話ではなく、企画の時点で決まります。外に出す前提の1本と、社内で使う1本は、話し方から変わります。
すでに動画が溜まっている会社なら、公開範囲の棚卸しから入れます。何が公開で、何が限定公開で、どのリストに何が入っているか。これを一度整理すると、営業がURLを送るたびに起きていた事故が止まります。
派手な演出よりも、内容が伝わることと、1年後も同じURLで使えることを優先します。
この話の前後は、別の記事で書いています
再生リストの作り方そのものと、渡した後の話は、それぞれ別の記事にしてあります。
まとめ:リストの設定を見る前に、中の1本を見てください
最後に整理します。
① 公開設定は2階建て。リスト側と、動画1本ごとで別になっている
② リストのURLを送ることは、中の非公開動画を見せる許可にはならない
③ 症状は3つ。一覧が開かない/1本だけ出ない/埋め込みだけ出ない
④ 非公開の動画が入っていたら、限定公開に切り替えるか、相手を招待するか、別に撮る
⑤ 全部公開にして解決させない。1本ごとに判断する
⑥ 埋め込みの可否は公開設定とは別の設定。公開でも埋め込めない動画がある
⑦ 2017年より前の限定公開動画は、2021年に非公開へ切り替わっている
⑧ 送る前に、ログアウトした別のブラウザでURLを踏んで本数を数える
今日できることを1つだけ挙げます。直近で社外に送った再生リストのURLを、シークレットウィンドウに貼って開いてください。入っているはずの本数が見えていれば問題ありません。足りなければ、足りない動画が非公開です。それが分かれば、今日の確認は終わりです。
よくある質問
関連記事
お問い合わせ
動画制作・YouTube運用に関するご相談は、以下のフォームからどうぞ。
