BLOG
企業のYouTubeの始め方。1本目は営業で使える動画にすべき理由
監修者
木村太一 / 株式会社CVO 代表取締役
チャンネル登録者1,400万人「NAS DAILY」の専属編集者。国内外多数のクリエイター・企業の動画制作に携わり、これまでにロング動画1,585本・ショート動画2,450本を制作。「伸ばすだけで終わらせず、事業に残す」動画づくりを信条に、企業のYouTube運用を支援している。
YouTubeを始めたい人『会社でYouTubeを始めたいけど、何から手をつければいいのか分からない。機材も知識もないし、1本目に何を出せばいいのかも決まらない…』
こういった疑問に答えます。
本記事は、企業のYouTubeをこれから始めたい経営者・マーケティング担当者の方に向けて書いています。
企業のYouTubeとは、企業が営業・採用・広報などの事業目的で運用するYouTubeチャンネルのことです。
結論から言うと、最初の1本は「営業で一番よく聞かれる質問に答える動画」にすべきです。会社紹介でもバズ狙いでもありません。この選び方なら、公開した初日から商談で使えるので、再生回数がゼロに近くても活用できます。つまり、失敗しにくい、堅実な始め方です。
この記事の要点
- 企業のYouTubeの1本目は、営業で一番よく聞かれる質問に答える動画にする
- 動画を作る前に「誰向けか」「どこで使うか」「成果の測り方」の3つを決める
- 機材はスマホで十分。こだわるのは音声だけ
- 成果は再生回数ではなく、商談での利用回数で測る
当ブログでは、動画を「動画資産」として蓄積する考え方を解説してきました。本記事はその実践編として、最初の1本の決め方から公開後の使い方までを順番に解説します。
企業のYouTubeの始め方でよくある2つの失敗
結論:多くの企業は「会社紹介」か「バズ狙い」から始めて、止まります。
失敗①:会社紹介から始める
チャンネルを開設したら、まずは会社紹介の動画を…と考えがちですよね。
とはいえ、冷静に考えてみてください。あなたの会社をまだ知らない人が「〇〇株式会社 会社紹介」と検索することは、ほぼありません。
理由はシンプルで、会社紹介の動画は誰の悩みも解決しないからです。見る理由があるのは、すでにあなたの会社に興味を持っている人だけ。作るなとは言いませんが、順番としては後回しでOKです。
失敗②:バズ狙いから始める
『いやいや、せっかくやるなら再生回数を狙うべきでしょ』という声もあるはずです。
気持ちは分かります。ただ、流行に寄せた企画は、当たるかどうかが運に左右されます。しかも当たったとしても、集まる視聴者が見込み客とは限りません。
一番もったいないのは、1本目でバズを狙って外し、「うちにYouTubeは向いていない」と社内の空気が冷めてしまうことです。始め方を間違えると、続ける前に終わります。
再生回数だけを成功基準にせず、商談や採用での活用度で動画を評価する考え方は、当ブログで繰り返しお伝えしている通りです。
最初の1本は「営業で一番聞かれる質問」に答える動画にする
では、何から作るべきか。
結論:商談で繰り返し出る質問に、まっすぐ答える動画です。
理由は3つあります。
①需要が実証済み:実際に何度も聞かれている質問なので、「見たい人がいない」という事態が起きません
②台本がすでにある:営業担当者が毎回口頭で答えている内容が、そのまま台本になります
③公開初日から使える:商談前に送る、商談後のフォローに添える。再生回数を待つ必要がありません
つまり、ネタ探しも需要調査も不要で、成果が再生回数に依存しない。始め方として、これ以上堅実な選択肢はないかなと思います。
たとえば「他社と何が違うのですか」「導入までの流れは」「費用はどう考えればいいですか」。こうした質問への回答は、どの会社の営業現場にも必ずあるはずです。
動画を作る前に決めておくこと3つ
企業のYouTubeでは、機材を買う前に決めておくべきことが3つあります。
①誰向けの動画か:見込み客なのか、採用候補者なのか。1本目は「商談相手」に絞るのがおすすめです
②どこで使うか:商談前のメール、見積もり送付時、Webサイトのサービス紹介ページなど、使う場面を先に決めます
③成果をどう測るか:再生回数ではなく「商談で使った回数」「送った相手からの反応」で測ると決めておきます
この3つを先に決めておくと、公開後に「で、これは成功なの?」と迷いません。
逆に言うと、チャンネルアートの作り込みや投稿頻度の計画は、後からで大丈夫です。開設準備に凝りだすとキリがなく、動画を出す前に力尽きる原因になります。
なお、チャンネル開設の作業自体はGoogleアカウントがあれば10分ほどで終わります。企業で運用するなら、個人アカウント直結ではなくブランドアカウントでの開設がおすすめです(担当者が変わっても引き継げます)。手続きよりも、この3つを決めることに時間を使ってください。
1本目の構成テンプレート:結論→理由→具体例→注意点
企業のYouTubeの1本目の台本は、次の順番で話せばOKです。
①結論:質問への答えを最初の30秒で言い切る
②理由:なぜそう言えるのかを説明する
③具体例:実際の場面を挙げて補強する
④注意点:当てはまらないケースや限界も正直に伝える
ポイントは④です。都合の悪い情報も隠さず伝えると、動画全体の信頼性が上がります。商談相手に見せる動画だからこそ、この誠実さが効きます。
タイトルは、営業で聞かれている質問をほぼそのまま付ければOKです。たとえば「〇〇の導入までの流れを解説します」のように、誰のどんな疑問に答える動画なのかが一目で分かる形にします。概要欄にも同じ趣旨を一文で書いておくと、検索からもたどり着きやすくなります。
長さは5〜10分が目安。1本の動画で扱う質問は1つに絞ってください。あれもこれも詰め込むと、「どの場面で使う動画なのか」が曖昧になり、資料として使いにくくなります。
撮影・編集は最小限でいい。こだわるべきは1点だけ
企業のYouTubeの撮影機材はスマホで十分です。照明は窓際の自然光でOK。編集も、言い間違いをカットする程度で構いません。
ただし、1点だけこだわってください。音声です。
聞き取りにくい動画は、内容がどれだけ良くても商談相手に送れません。安価なピンマイクを1本用意するだけで、動画の「資料としての使いやすさ」は大きく変わります。
繰り返しですが、凝るべきは映像の派手さではなく、説明が正確に伝わることです。
公開したら営業・メール・サイトで即使う
動画を公開したら、再生回数を待たずに、自分たちから使いにいきます。
- 商談前のメールに「事前にこちらをご覧ください」と添える
- 見積もりや提案書と一緒に送る
- Webサイトのサービス紹介ページに埋め込む
- 問い合わせへの回答時に動画を案内する
YouTubeに置いておけば誰かが見てくれる、とは考えないことです。企業の動画は、待つものではなく使うもの。使った回数だけ、営業の説明工数が減っていきます。
あわせて、営業チームへの共有も忘れずに。「この質問が出たらこの動画を送る」と決めておくだけで、動画は勝手に使われ始めます。使われた場面と相手の反応を月に一度でも集めておくと、2本目のテーマ選びの材料にもなります。
なお、動画を自社サイトの記事に埋め込み、文字起こしや要約を添えて公開しておくと、検索エンジンや生成AIが自社の情報を理解しやすくなります。ChatGPTなどのAIに「何に詳しい会社なのか」を理解してもらうAIO対策の観点でも有効ですが、効果が保証されるものではなく、あくまでAIに参照される可能性を高めるための土台づくりとして捉えてください。
1本目から品質を確保したい場合の選択肢
「考え方は分かったけれど、社内に動画を作れる人がいない」という場合は、私たちCVOがお手伝いできます。
CVOは、チャンネル登録者1,400万人のYouTubeチャンネル「NAS DAILY」の専属編集経験を持ち、これまでに1,000本以上のロング動画を制作してきました。VSEO(動画の検索最適化)戦略に基づいたチャンネル設計から制作まで、一貫して支援しています。
私たちが重視しているのは、綺麗な映像そのものではなく「誰に、どう届け、どう動かすか」という成果です。1本目から商談で使える動画を作りたい方は、Worksをご覧ください。
まとめ:2本目以降が続く始め方
まとめます。
①最初の1本は、お客様からの頻出質問に答える動画にする
②動画を作る前に「誰向けか」「どこで使うか」「成果の測り方」を決める
③台本は結論→理由→具体例→注意点の順。機材はスマホ、こだわるのは音声だけ
④公開したら再生回数を待たず、営業・メール・サイトで即使う
1本目が商談で実際に使われると、「次はあの質問も動画にしよう」と社内から自然に声が上がります。2本目のテーマは、二番目によく聞かれる質問でOKです。
バズを追いかける始め方は、続けるほど苦しくなります。営業の質問に答える始め方は、続けるほど動画資産が貯まっていきます。そして、使い回した動画は消えません。担当者が変わっても、会社の説明ノウハウとして事業の中に残り続けます。
まずは、営業担当者に「お客様から一番よく聞かれる質問は何?」と聞くところから。企業のYouTubeは、今日からでも始められます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 企業のYouTubeを始めるとき、最初の1本は何を作ればいいですか?
A. 企業のYouTubeの最初の1本は、営業の現場で一番よく聞かれる質問に答える動画がおすすめです。実際に何度も聞かれている質問なので需要が実証済みで、営業担当者の説明がそのまま台本になり、公開初日から商談で使えるため、再生回数に関係なく活用できます。
Q2. 企業のYouTubeの1本目に会社紹介動画を作るのは間違いですか?
A. 企業のYouTubeの1本目を会社紹介動画にするのは、間違いではありませんが遠回りです。会社をまだ知らない人が会社紹介を検索することはほとんどなく、見る理由があるのはすでに興味を持っている人だけです。まずは見込み客の質問に答える動画を作り、会社紹介は後から追加すれば十分です。
Q3. 企業のYouTubeを始めるのに、どんな機材が必要ですか?
A. 企業のYouTubeを始める機材は、スマートフォンと安価なピンマイクが1本あれば十分です。映像はスマートフォンの画質で問題なく、照明も窓際の自然光で対応できます。ただし音声が聞き取りにくい動画は商談相手に送りづらいため、マイクにだけは投資することをおすすめします。
Q4. 企業のYouTubeの成果は何で測ればいいですか?
A. 企業のYouTubeの成果は、再生回数だけでなく、商談での利用回数、動画を送った相手からの反応、問い合わせの変化、営業の説明工数の削減などで測るのが現実的です。特に始めたばかりの時期は再生回数が少なくて当然なので、業務でどれだけ活用されたかのほうが実態を表します。
Q5. 最初の1本の動画も、AIO対策に役立ちますか?
A. AIO(AI Optimization)とは、ChatGPTなどの生成AIやAI検索に、自社が何者で何に詳しい会社なのかを理解・参照してもらうための情報づくりのことです。最初の1本からでも、営業でよく聞かれる質問に答える動画を自社サイトの記事に埋め込み、文字起こしや要約を添えて公開すれば、検索エンジンや生成AIが自社の情報を理解しやすくなり、AIO対策の土台になります。ただしAIOは効果が保証されるものではなく、AIに参照される可能性を高めるための土台づくりとして取り組むものです。
